タトゥーが重要な『モアナ』なぜヒロインにはタトゥーがない?
ポリネシア文化をリスペクトして制作された映画『モアナと伝説の海』に登場するほとんどのキャラクターには、同文化を形成する重要な要素であるタトゥーが体に入っている。しかし、同作で大海原を旅するヒロイン、モアナにはタトゥーは入っていない。彼女にタトゥーがない理由について、ロン・クレメンツ&ジョン・マスカー監督コンビと、プロデューサーのオスナット・シューラーが語った。
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以前には『アラジン』『リトル・マーメイド』などのヒット作を生み出してきたクレメンツ&マスカー監督。その中でも本作はリサーチ期間が最も長く、リサーチには作品作りと並行する形で約5年もの月日が重ねられたという。それだけに作中では、ポリネシアを含むオセアニアの文化が色濃く反映されており、キャラクターたちの服装も当時その場で調達できたものだけ、などのこだわりぶりがうかがえる一作となっている。
実際に、『モアナ』のMovieNEX(7月5日発売、6月28日より先行デジタル配信)には、彼らがリサーチのため同地に向かう映像が収められており、その映像にもかの民族にとって歴史を体に刻むという意味でタトゥーがいかに重要な役目を担っているかが映し出されている。それなのになぜ、次の村長という立場でもあるモアナには、タトゥーがないのか。この問いに対して、プロデューサーのオスナットは、「一番大きな理由はモアナが16歳で、まだ若かったというということです。(旅の始めの時点では)タトゥーとして残す業績がまだ備わっていなかったと思ったのです」と答える。
また途中から彼女がタトゥーを入れるという案もあったそう。マスカー監督は、「モアナにタトゥーを加える案を考えたこともありました。映画のラストで彼女の頑張りをタトゥーとして入れるという話も出たんです。でもやっぱりまだ若いという判断になって」とコメント。続けてオスナットは笑みを浮かべながら、「これからもモアナの旅が続けば、彼女にもタトゥーが増えていくのでしょうね」と話していた。(編集部・井本早紀)