小泉今日子が美しき男同士の真実の愛を描く映画のナレーションに参加した理由は?
女優の広田レオナが原案・脚本・監督を務めた映画『お江戸のキャンディー2 ロワゾー・ドゥ・パラディ(天国の鳥)篇』の先行上映が24日、シネマート新宿で行われ、広田監督のほか、出演者の栗原類、荒牧慶彦、染谷俊之らが来場、本作の裏側を語り合った。
【画像】小泉今日子がナレーションに参加した理由は? 画像ギャラリー
女優の広田レオナが監督を務めた『お江戸のキャンディー』は美しき男たちの真実の愛を描き出し、ロングランを記録した異色のラブストーリーだったが本作はその第2弾。「運命の恋」をテーマに、現実の世界と、男しかいない100年後のEDO時代という時空を交錯させながら、男同士の恋愛模様を描き出す。
本作で栗原が演じるのは現実の下北沢でEDOの世界にいる北原白と、EDOで人気の花魁(おいらん)・四代目白鳥太夫。このユニークな作品について「1作目を観させていただいた時は非常にアーティスティックな作品だと思いました。メークや衣装がとても美しかったので、これの続編をどうやって作るんだろうと思いました」と述懐。実際に続編の撮影に参加してみて、「ひとつひとつの映像がきれいだなと思いました」と満足げな表情を見せた。
本作には若手の注目株はもちろんのこと、佐野史郎、吹越満、竹中直人といったベテラン勢も出演している。そして女優の小泉今日子がナレーションを務めていることも注目のポイントとなっている。「台本にもナレーションをやる人が書いてなかったんで、(小泉がやると聞いた時は)ビックリしました」と栗原が語る通り、小泉の参加は突如決定したのだとか。その経緯について広田監督は「偶然会えたんです。ウチの近所のセブン‐イレブンで」と意外な場所で直接オファーを出したことを明かし、会場を驚かせた。
劇中では神谷リク演じる龍と、染谷演じる桔梗太夫との運命の恋が描かれる。「撮影中はリク君に恋をしようと思っていました」という染谷だったが、「リク君とは宿舎が一緒で。そこには露天風呂があったんですけど、キスシーンがある日の朝、お風呂に入ろうと思って。(風呂場で)リク君に会いませんようにと思いながらガラッと入ったらそこにリク君がいた。キスシーンをやる前に裸の付き合いをしてしまった」と明かし、観客は大喜び。その言葉を聞いた広田監督は「本当に恋をしてくれたんで、うれしいです」としみじみ。
そんな撮影を振り返った栗原は「キャスト陣は団結して美しいものを作っているんですけど、このチーム全体がいい意味でゆるかったですよね。みんなで笑い合えるような現場が今までなかなかなかったんで、新鮮でした。レオナさんも厳しい方なのかなと思っていたんですけど、天使のような仏さまのような器の大きな方でした!」と称賛。さらに「この物語には伏線がたくさんあって。何度観ても新しい発見があって、観るたびにこの映画を読み解くのは楽しいと思います。美しい音楽、映像を楽しむのは自分にとっての癒やしになる。いい映画なんで、何度でも来てください」と会場に呼びかけた。(取材・文:壬生智裕)
映画『お江戸のキャンディー2 ロワゾー・ドゥ・パラディ(天国の鳥)篇』はシネマート新宿ほかにて順次公開中