“まいんちゃん”福原遥、嫌いだった自分の声が武器に
子ども向け料理番組「クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!」のまいんちゃん役で知られる福原遥。いまは人気アニメ「キラキラ☆プリキュアアラモード」の声優として、変わらず少女たちのあこがれの対象であり続ける。実は自分の声がずっと嫌いだったという福原。その思いを振り切り、声の仕事を挑戦しようと気持ちを切り替えることができたのは、ファンからの「好き」という言葉だった。
まいんちゃんや、雑誌「ピチレモン」のモデル、そしてこのプリキュアと、子どもたちや同世代から注目を浴びてきた福原。その可愛らしい声は彼女の魅力の一つだが、「私はもともと自分の声があんまり好きじゃなくて……小さいころはもっと高くて、きんきんとした感じの声で、それがすごく嫌いでした」と打ち明ける。4年間出演した「クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!」にはアニメと実写のパートがあり、両方で主人公を演じていた福原は声優の経験もあったものの、「まいんの時は本当にがむしゃらにやっていて、周りについていこうと必死で、ちゃんと向き合えていたのかも覚えてないくらいなんです」。
転機は、2016年からアニメ「なめこ~せかいのともだち~」の声優を経験したこと。「その時に、ファンの方に自分の声を好きだとか、いいねと言っていただけたんです。そう言ってもらえて初めて、この声を好きになってくれる人がいるんだと思って……これを仕事にできたらすごくうれしいし、そう思ってくれる人がいるんだったら、もっといろんな役やりたいって思えたんです。まいんでの経験もあったので、もっと知りたい、やりたいなって思うようになりました」と語る。
そして、オーディションで獲得したプリキュアという大役。アフレコが始まったばかりの頃は苦い思いもした。「感情移入しちゃうと、キャラクターの口の動きと声がずれてしまって、ブレスのタイミングかも全然合わなくなっちゃって……」。特に感情の起伏がある長いセリフではなかなか合わず撮り直しを繰り返し、とても落ち込んだこともあった。しかし、共演者の水島裕に「遥ちゃんの自由な演技、想像とは全然違う方向に持っていくところが本当に大好きだから、尺とか周りを気にしたりしないで、自由にやっていい」と言われたことで救われた。それ以来、画に合わせることよりも役に入り込む芝居を優先しようと意識を変えたそう。「だから今も全然合わないんですけどね」と言いながらも、思いを伝えることを第一に負けじと気持ちで食らいついている。
福原が声をあてる有栖川ひまり/キュアカスタードは、当初は臆病な面が強調されていたが、成長し回を重ねるごとに表情豊かになっている。そんなひまりの変化も福原は楽しんで演じているそう。公開を控える『映画キラキラ☆プリキュアアラモード パリッと!想い出のミルフィーユ!』は、ひまりも含めた6人のプリキュアたち全員の成長が感じられるストーリー。2月からスタートしたテレビ放送も佳境に入り、築いてきた信頼がこの映画でぐっと深い絆を生み、福原も収録中にうるっときてしまったほどだという。
福原自身はこの春に高校を卒業したばかり。大人に近づいていくことを「嫌だな」と思う気持ちもあるというが、「自分が小さい頃に思い描いていた19歳といまが全然違うので、もっと成長しなくちゃと思っています。内面的にも、技術とかそういった面でも『がんばらないと!』と日々思いますね」。その一方で、「素直な気持ちは絶対に失くしたくない」とも話していた。(編集部・小山美咲)
『映画キラキラ☆プリキュアアラモード パリッと!想い出のミルフィーユ!』は10月28日より公開