『悪魔のいけにえ』恐怖のあまり何度も悪夢を…前日譚の監督が告白
トビー・フーパー監督が手掛けたホラー映画の金字塔『悪魔のいけにえ』の前日譚(たん)を描いた新作『レザーフェイス(原題) / Leatherface』について、共同監督の一人、ジュリアン・モーリーが、10月18日(現地時間)ニューヨークで電話インタビューに応じた。
テキサスの田舎町に帰郷した5人の男女が、人の顔の皮をかぶってチェーンソーを振りかざす殺人鬼レザーフェイスに襲われるという内容の『悪魔のいけにえ』に対し、レザーフェイスの若き日に焦点を当てた今作。警官の娘とその彼氏を襲う陰惨な事件を起こして、精神科病院に入れられた少年が、10年後に3人の入院患者と共に看護師を誘拐して脱走を図るも、娘を殺されて気が狂った警官から執拗に追われる。サイコホラー『屋敷女』同様、モーリー監督とアレクサンドル・バスティロの共同監督で制作された。
11歳の時に兄のVHSで見せられたオリジナル版『悪魔のいけにえ』の内容にショックを受け、その後何度も悪夢を見たため、一時期、両親に兄とのホラー映画鑑賞を禁じられたという思い出を持つモーリー監督。今年の8月に亡くなったフーパー監督について聞かれると、「今作のロンドンのワールドプレミアが行われた翌日に彼は亡くなったんだ。気が動転するほど悲しかったね。撮影前にアドバイスを受け、コラボも出来ればと思っていたんだけど、その段階ですでに病気でね。だから彼には会うことも、話すこともできなかったんだよ」と語り、フーパー監督の意志を引き継ぐ気持ちで制作したことを明かした。
舞台はテキサスだが、本作はブルガリアで撮影を行ったことについては「僕らは、『アマング・ザ・リビング(英題)/ Among the Living』の時にブルガリアで撮影したんだ。今作でもロケーションスカウトの過程でクールな場所をブルガリアで見つけてね。テキサスを舞台にできる素晴らしくホラーに適した場所だったんだ。それに、そこにはミレニアム・フィルムズの撮影用の施設もあったからね」と答えた。
脚本を手掛けたセス・M・シャーウッドについては「僕らが共同監督に決まった段階ですでに脚本は完成していたんだ。僕らは脚本内の核心部分の構成は全く変えなかったよ。ただ、僕らのホラーの世界観を観客に伝えたかったから、少しだけ手を加えたんだ。例えばエンディングシーンは当初、30人以上を大虐殺する設定だったんだけど、やりすぎだと思ったから、よりドラマ性のあるエンディングにしたんだ」と語った。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)