トランプ大統領を演じるのは3回の予定だった…アレック・ボールドウィンが告白
テレビシリーズ「30 ROCK/サーティー・ロック」などのアレック・ボールドウィンが、昨年の11月9日(現地時間)ニューヨークのAMV Unitel Studiosで開催されたYes Networkのイベントで、自身のキャリアを振り返った。
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アレック・ボールドウィンという芸名が付けられた経緯について、「祖父や父の名前と同じであり、僕の名前でもある“アレクサンダー”で契約するつもりだったんだ。でも、契約前にエージェントから『その名前は気に入らない』と突き返されてしまったんだよ。そこで僕は『家では父がアレック、僕はザンダーと呼ばれている』と話すと、彼らから『それだ! 今日からアレックが君のステージネームだ!』と言われたんだ。まるでウディ・アレンの映画のように、その場で決められたよ」と振り返った。
映画『摩天楼を夢みて』(1992)で、ジャック・レモン、アラン・アーキン、エド・ハリスといった演技派俳優の前で行った有名なロングスピーチの撮影については、「あのシーンは、ジェームズ・フォーリー監督に助けられたね。共演した俳優陣は僕が憧れていた人たちばかりで、(演技とはいえ)そんな彼らに傲慢な態度で接することはできなかったんだ。フォーリー監督はいろいろとアドバイスしてくれたが、僕はそれでも出来なくてね。結局、あのシーンは2日間も撮影したんだよ。最後は監督から『君が行かなければ、われわれみんながダメになる』と言われ、僕も『いくぞ!』と決意することが出来たんだ」と撮影秘話を明かした。
人気を博したドラマシリーズ「30 ROCK/サーティー・ロック」については、「決してクレイジーな視聴率をたたき出したわけではないけれど、最終的に7シーズンも放送した。視聴者が常にいてくれたことが、それを可能にしてくれたよ」と感謝しながらも、演じたジャック・ドナギーがタイプキャスト(イメージの固定化による類型的なキャスティング)されていると思わなかったのかと聞かれると、「僕は妥協せずに物事を伝える重役のような役柄を演じることが多いからね。もしエージェントから、これまで生きてきた中で、最も繊細な盲目の聖職者役を依頼されたとしたら、(タイプキャストではない役柄として)飛びつくだろうね!」と冗談交じりに答えた。
大好評のドナルド・トランプ現大統領のモノマネを始めた経緯については、「『30 ROCK/サーティー・ロック』の共演者でもあったティナ・フェイが、『アレックならば、きっと面白いドナルド・トランプのモノマネができると思う』と『サタデ-・ナイト・ライブ(SNL)』の製作サイドに提案したんだ。それまでは、ダレル・ハモンドがトランプのモノマネをしていて、彼があの番組では一番モノマネがうまかったよ。おそらく、誰もトランプを演じる人がいなかった時に、僕は依頼されたんじゃないかな」とアレック。当初は、3回出演して辞める予定だったそうだ。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)