養女への性的虐待疑惑…ウディ・アレン監督作のギャラ寄付する俳優相次ぐ
ウディ・アレン監督に対する性的虐待疑惑が再燃し、同監督の作品で受け取ったギャラを寄付したり、悔恨の念をにじませる俳優が相次いでいる。
アレン監督には、交際関係にあった女優ミア・ファローとの間に迎えた養女ディラン・ファローさんへの性的虐待疑惑が持ち上がっていた。1992年にアレン監督とミアが破局すると大々的にその疑惑が報じられ、2014年には『ブルージャスミン』でアレン監督が第86回アカデミー賞にノミネートされたことに業を煮やしたディランさん自らNYTimes.comに宛てた書簡でアレン監督から性的虐待を受けていたと明かした。そして昨年10月、数々のアカデミー賞受賞映画を手掛けてきた大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ疑惑がニューヨーク・タイムズで報じられたことに端を発し、次々と被害者が声をあげる「#MeToo(私も)」運動の流れを受けて、ディランさんはふたたびロサンゼルス・タイムズに書簡を寄せた。するとそれに対して、アレン監督と仕事をした俳優たちが意見を求められる事態に。
賞レースを席巻している『君の名前で僕を呼んで』『レディ・バード』に出演し、ハリウッドで大ブレイク中の若手俳優ティモシー・シャラメは、アレン監督の新作『ア・レイニー・デイ・イン・ニューヨーク(原題) / A Rainy Day in New York』に出演。ティモシーはInstagramで「最近いくつかのインタビューで、昨夏にウディ・アレンと仕事したことについて聞かれた。契約上の義務で、その質問には直接的に答えることができなかった。でも僕が言えるのは以下のこと。その映画でのギャラを受け取りたくない、そのため、全額をTime's Up、The LGBT Center、RAINN(Rape, Abuse & Incest National Network)の3つのチャリティー団体に寄付します」と表明し、「僕は、すべての人が尊敬と尊厳を持って扱われるように闘っている勇敢な芸術家たちと肩を並べるのにふさわしいことを望んでいます」とつづった。
ティモシーのほかにも、新作に出演したレベッカ・ホール(『それでも恋するバルセロナ』にも出演)とグリフィン・ニューマンがギャラの寄付を発表。新作でティモシーの相手役を務めたセレーナ・ゴメスの母親も、アレン監督とは一緒に仕事をしてほしくなかったとSNSで本音をこぼし、話題になっている。
また、新作のみならず過去作に出演した俳優陣も反省のコメントを寄せている。『ローマでアモーレ』(2011)に出演したエレン・ペイジは昨年11月に「ウディ・アレンの映画に出演したことが、私のキャリアにおける最大の後悔です。本当に自分自身を恥じています」とつづり、同じく『ローマでアモーレ』のグレタ・ガーウィグも「もし私が今知っていることを当時知っていたなら、出演することはなかった」と後悔をにじませた。『誘惑のアフロディーテ』でアカデミー賞助演女優賞に輝いたミラ・ソルヴィノも、ディランさんに対して謝罪のコメントを寄せている。
ちなみに、アレン監督はミアと交際中、ミアの養女であるスン=イー・プレヴィンと関係を持っていたことが発覚し、訴訟に。1997年にプレヴィンと結婚した。(編集部・石神恵美子)