是枝裕和『万引き家族』カンヌ映画祭出品!5度目のコンペ部門
第71回カンヌ国際映画祭
映画『三度目の殺人』(2017)の是枝裕和監督最新作『万引き家族』が、フランス・カンヌで開催される、第71回カンヌ国際映画祭(5月8日~19日開催)のコンペティション部門に正式出品されることが明らかになった。
『海街diary』では綾瀬はるか・長澤まさみ・夏帆・広瀬すずとカンヌへ
是枝監督にとって、『海街diary』(2015)から3年ぶり、5回目のコンペ出品。「こんな小さな作品に目を留めて頂いて感謝しています。素直に嬉しいです」という監督は「5度目のコンペということで『賞レース』とか『意気込み』とはちょっと違う感慨もあって、本来の祭の目的である、映画という豊かな文化に触れて、今後の自分の映画作りの課題を見つけるようなゆったりとした時間にしたいなあと思っています」と明かしている。
東京の下町を舞台に、軽犯罪で生計を立てる一家を描いた人間ドラマ。是枝監督が、「この10年間考え続けてきたことを全部込めた」と語る渾身の一作で、幼い息子と万引きを重ねる父親をリリー・フランキー、その妻を安藤サクラ、彼女の妹を松岡茉優、年金をあてにされている祖母を樹木希林が演じるほか、池松壮亮、高良健吾、池脇千鶴、柄本明、緒形直人、森口瑤子ら実力派が出演する。
第66回カンヌ映画祭で審査員賞に輝いた『そして父になる』(2013)でも是枝監督と組んだリリーは、「普遍的な家族の問題と、今世界で同時期に起きている家族にまつわる社会問題。絆、金、善悪、生と性。是枝さんの切り取った、見過ごしてしまいそうで、決して見逃してはいけない日常の表裏がカンヌ映画祭に評価されたことを、心から嬉しく思い、また誇りに思います。是枝監督おめでとうございます。この、埃まみれの物語が、華やかなカーペットを歩くことに希望を感じました」と喜びのコメント。
また、安藤も「憧れのカンヌ国際映画祭! しかもコンペティション部門! 凄い!おめでとうございます! 東京の谷底で黒い粒子にまみれてたあの汚ったない家族がカンヌで赤絨毯とは! かっこいいなぁ。監督、おめでとうございます! 万引き家族の行方が楽しみです」と語っている。
本作には、オーディションで抜擢された城桧吏(じょう・かいり)と佐々木みゆら2人の子役も出演。『誰も知らない』(2004)では、柳楽優弥に史上最年少の男優賞獲得をもたらした是枝監督だけに、賞の行方と共に俳優陣への評価にも期待がかかる。(編集部・入倉功一)
映画『万引き家族』は6月8日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開