東京国際映画祭で湯浅政明監督、役所広司を特集
第31回東京国際映画祭
10月25日より開催される第31回東京国際映画祭で、『夜は短し歩けよ乙女』『夜明け告げるルーのうた』などで知られる湯浅政明の特集「アニメーション監督 湯浅政明の世界」が組まれることが9日、明らかになった。現在の日本を代表する作品に焦点を当てた「Japan Now部門」では「映画俳優 役所広司」の実施が決定しており、役所の昭和から最新作までを紹介する大規模な上映になるという。
【写真】湯浅政明監督×星野源声優『夜は短し歩けよ乙女』場面写真
昨年の原恵一監督に続き、アニメーション特集枠に決定した湯浅監督。昨年は『夜は短し歩けよ乙女』『夜明け告げるルーのうた』の2本が相次いで公開。オリジナル長編『夜明け告げるルーのうた』は、世界最大級のアニメーション映画祭・アヌシー国際アニメーション映画祭で長編部門グランプリにあたるクリスタル賞を受賞。森見登美彦の小説を、星野源らを声優に迎えアニメ化した『夜は短し歩けよ乙女』は、第41回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞を受賞したほか第41回オタワ国際アニメーションフェスティバルで日本人として初めて長編部門グランプリを受賞するなど、国内外で快進撃が続く。
本映画祭での特集上映が決定した湯浅監督は、「世界中から作品が集まる国際映画祭で、まさか自分の名前のついた特集上映が実施される日がくるとは思いもしませんでした。このような機会をいただき、大変光栄ですし、とてもびっくりしています」と感激を露わに。「いままで制作に携わってくださったスタッフ・キャストの皆さんの仕事が再び日の目を見る事も嬉しいですし、ぜひこの機会に、未だご覧になった事のない多くの皆様に観ていただく事ができればとても嬉しく思います」と呼び掛けている。
一方、役所は原田眞人監督、岩井俊二監督、昨年特別編として取り上げられた安藤サクラ、蒼井優、満島ひかり、宮崎あおいら4人の女優に続いて「Japan Now部門」の今一番海外へ紹介したい映画人に選出。昨年は15年ぶりの連ドラ主演となった「陸王」(TBS系)が話題になったほか、同年公開の『三度目の殺人』で第41回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞。現在、『凶悪』の白石和彌監督とタッグを組む主演映画『孤狼の血』(5月12日公開)、声優を務める細田守監督の長編アニメ映画『未来のミライ』(7月20日公開)などの公開を控えている。
役所はこの記念すべき特集に「芝居に興味を持って、今年で40年。子供の頃から何一つ長続きしたものがない僕にとって、40年同じことを続けられるなんて奇跡です」とこれまでの歩みを回想。「役者という仕事は不思議で、どんなに恥をかいても、失敗だらけでも、一つの作品が終ると『ひょっとしたら、次は上手くいくかも知れない……』と思ってしまうのです。それがこの世界の毒なのでしょうかね? 今回の特集上映、とても光栄です。そして、今まで自分に影響を与えてくれた全ての人に感謝します」と俳優の醍醐味を噛みしめるとともに感謝を表している。(編集部・石井百合子)
第31回東京国際映画祭は10月25日~11月3日、六本木ヒルズ(港区)、EXシアター六本木他で開催