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綾野剛も認める北川景子の反骨精神「白黒はっきりした性格」

綾野剛&北川景子
綾野剛&北川景子

 先ごろ行われた映画『パンク侍、斬られて候』の完成披露試写会で、規格外の能力を持ちながらテキトーな侍・掛十之進(かけじゅうのしん)を演じた綾野剛は、この映画は「宣伝不可能」と評した。一方、掛を翻弄するミステリアスな美女・ろんを演じた北川景子は、「破壊的なポップアート」と表現。果たしてその真意とは? 芥川賞作家・町田康の小説を映画化する奇想天外なエンターテインメント作品を綾野と北川がぶった斬る。

【動画】『パンク侍、斬られて候』予告編

 本作は、町田康の江戸時代を舞台にした人気小説を、『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』の宮藤官九郎が脚本、『蜜のあわれ』の石井岳龍監督がメガホンを取り映画化した異色時代劇。掛十之進(綾野)がハッタリをかまし、自らまいた種で巻き起こす大騒動の顛末を、アクション満載で活写する。綾野、北川のほかに、東出昌大染谷将太浅野忠信國村隼豊川悦司ら豪華な顔ぶれが “パンク”な演技を披露する。

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 脚本を読んだとき、「どんな映画になるのか、全く想像できなかった」と語る綾野。一方の北川は、「すごいものを読んでしまった……というのが正直な感想(笑)。あまり詳しく言えませんが、わたしの場合、心の奥底に『燃えるような気持ち』を持っている役柄だったので、普段の作品では出せない自分のアナーキーな部分をこの映画にぶつけたい、という思いに駆られました」と目を輝かせる。

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『パンク侍、斬られて候』より。綾野は剣豪にしてテキトーな掛十之進、北川は謎の美女ろん役で意表を突く演技を披露!(C) エイベックス通信放送

 そして、完成像の予測がつかないままに撮影が進み、試写を観た綾野は「誰が主役というわけでなく、12人のキャラクターが『個』としてちゃんと立っているところが素晴らしい」と称賛しながらも、本作を「脳内破壊映画」と評する。「つまり、自分が考えていることなんてたかが知れていて、目に見えることなんて、もっとたかが知れている。目の前を電気が走っていたり、猿が突然しゃべり始めたり……もはや、完全にカオス。レフリーのいないリングに立っているような感覚だった」と言葉を弾ませる。

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 唯一、まとも(?)な役を演じた北川は、「初めて観るシーンもたくさんあって、おなかを抱えて笑ったし、息を呑むアクションシーンもすごかった。見終わったあとはライブでヘッドバンキングをやりすぎて『無』になる感じ? 観客も『出し切ったぜ!』みたいな感覚になるのではないでしょうか(笑)」と大満足の様子。

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インタビュー中も息ピッタリ!

 さらに今回、石井、宮藤、町田というパンクな作家と初めて組んだ北川は、改めて自分の中にある「アナーキーな部分」を認識したという。「普段は品行方正でいなければならないので、公の場にはきちんとして出ていますが、音楽はうるさいのが好きですし、ちょっと反抗心があったりする。全て巻かれるんじゃなくて、『それ、違うけど?』と心の中で思いながら、『はーい!』ってやるようなところがあるんですよね」とパブリックイメージに意表を突く内面を秘めていることを吐露。

 これに対して綾野は、「とはいえ、本音と裏腹に『はーい!』って返事をしていても、受け流しているのではなく、何とか自分に『折り合い』をつけようとする意志があるので嘘がない。北川さんはグレーでは絶対に仕事をしない人。白黒はっきりしているんですよね」と分析する。綾野の言葉に同調した北川は、「そうそう、はっきりしています。ふわっとしたところが全くないので、そういうところがもしかするとパンクと言えるかもしれませんね」と笑顔を見せた。

 ところで、主人公・掛を演じた綾野のパンクな部分とは? それは映画のあるワンシーンに表れている。大ベテランの俳優の前であんなリアクションを思いつくなんて……。あれをパンクと言わずして、何と言うべきか。(取材・文・撮影:坂田正樹)

映画『パンク侍、斬られて候』は6月30日より全国公開

綾野剛主演『パンク侍、斬られて候』ぶっ飛びの予告編 » 動画の詳細
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