ディズニー/ピクサー初の食べ物を主人公にした短編アニメ
ディズニー/ピクサー作品で初の食べ物を主人公にした短編アニメ『Bao』の映像が一部公開された。『Mr.インクレディブル』約14年ぶりの続編『インクレディブル・ファミリー』(8月1日公開)と同時上映される。公開された映像には、主人公の肉まんの赤ちゃんが誕生する様子が収められている。
『Bao』は、中国生まれでカナダのトロント育ちのドミー・シーが、人間の優しいお母さんに育てられる肉まんの成長を描いた物語。ディズニー/ピクサー作品初の女性監督、初のアジア人監督となる。
本作はもともとディズニー/ピクサー作品としてではなく、ドミー監督の創作活動として始まった。食べ物を主人公にしたことについてドミー監督は「わたしは食べ物にまつわる昔話も好きです。例えばキュートでちょっと奇妙なジンジャーブレッドマン(ヒト型のクッキーまたはビスケット)。その中国版をやってみたいと思った」とのこと。
また、中国文化における家族と食べ物の関係について強調する。「そもそも、中国の文化では、家族と食べ物はいつも一体で、中国人は必ず『お食事はされましたか?』と聞くのです。そこでわたしが大好きなもの、つまり食べ物と、わたしが個人的に経験したことを盛りこんだものにしようと決めました」
ドミー監督が個人的に盛り込んだ経験とは、自身と母親の関係。父親が仕事で家を離れがちだったため母親と一緒にいる時間が多く、人生において互いが非常に大きな存在だったという。
公開された映像は、女性が赤ちゃんの泣き声が聞こえてくる蒸しせいろを覗き込むと、小さな肉まんに手足が生えて赤ちゃんの姿になる不思議なもので、ふっくらとした愛らしい造形にほっこりとさせられる。(編集部・石井百合子)