小栗旬、太宰治役で減量 蜷川実花監督と「人間失格」誕生秘話映画化
俳優の小栗旬が、写真家、映画監督の蜷川実花とタッグを組む映画『人間失格』(2019年公開)で日本の近代文学を代表する作家・太宰治を演じることが3日、明らかになった。1948に刊行された自伝的小説「人間失格」誕生秘話を、太宰自身と彼を愛した3人の女性たちの目線から、事実に基づくフィクションとして描く。小栗は、本作で役作りのために大幅な減量に臨んだという。
「走れメロス」「斜陽」「ヴィヨンの妻」などの名作を生む天才作家にして、酒に溺れ自殺未遂を繰り返した果てに愛人と川に身を投げ、その生きざまから“破滅型作家”と称される太宰。先ごろ映画『ゴジラVSコング(原題) / GODZILLA VS. KONG』(邦題未定・2020年公開予定)でハリウッドデビューも報じられた小栗が挑む。
小栗は、オファーされた際に「この文豪を自分を通して産み出すことが出来るのだろうか。自分がこの人生を生きることは出来るのだろうか」と悩んだと言い、「監督から僕でなければ、というお言葉を頂き、脚本に魅了され、決断いたしました」と出演に至った経緯を明かす。
また小栗と、長編監督デビュー作『さくらん』(2007)でも組んだ蜷川監督は「太宰治本人の物語を作りたい。そう思いついた時からこの役を出来るのは絶対に小栗旬しかいないと思っていた」とオファー。「スターである彼にしか見ることの出来ない景色、トップを走り続けているからこそ抱える孤独、誰もまだ見たことのない小栗旬。連日の撮影で鳥肌が立つことが何度もありました。魂を賭けた芝居に毎日震えています」と小栗への強い思い入れを語っている。
脚本を映画『紙の月』(2014)などの早船歌江子が担当。11月上旬にクランクイン、12月中旬にクランクアップ予定。(編集部・石井百合子)
小栗、蜷川監督のコメント全文は以下の通り。
<蜷川実花監督>
太宰治本人の物語を作りたい。そう思いついた時からこの役を出来るのは絶対に小栗旬しかいないと思っていました。スターである彼にしか見ることの出来ない景色、トップを走り続けているからこそ抱える孤独、誰もまだ見たことのない小栗旬。連日の撮影で鳥肌が立つことが何度もありました。魂を賭けた芝居に毎日震えています。これをやるための今までの人生だね、と2人で話しています。ご期待下さい。
<小栗旬>
お話を頂いたのはずいぶん前のことだったと認識しております。悩みました。この文豪を自分を通して産み出すことが出来るのだろうか。自分がこの人生を生きることは出来るのだろうか。しかし、監督から僕でなければ、というお言葉を頂き、脚本に魅了され、決断いたしました。今はただただ、最高の孤独とは一体どこに存在しているのか。手に入るものなのか。そんなことを日々感じながら、一歩一歩、太宰に寄り添いながら過ごしております。私という人間から見えてくる太宰治という凄絶な人生を駆け抜けた一人の文豪の足跡が皆様の心に刻まれることを祈り、作り上げていければと思っております。お楽しみに。