『ROMA/ローマ』アカデミー賞で初の快挙!キュアロン監督、ノミネートの喜び語る
第91回アカデミー賞
第91回アカデミー賞で、動画配信サービス製作作品で初の作品賞&外国語映画賞ダブルノミネートの快挙を成し遂げたNetflixオリジナル映画『ROMA/ローマ』。本作の監督を務めたアルフォンソ・キュアロンが喜びのコメントを寄せた。
本作は、『ゼロ・グラビティ』(2013)でアカデミー賞監督賞に輝いたキュアロンが、自身の幼少期の体験を交え、1970年代のメキシコ・ローマ地区を舞台に、中産階級の家庭の家政婦として働く若い女性クレオ(ヤリッツア・アパリシオ)の1年の出来事をモノクロの映像で描いたヒューマンドラマ。キュアロン監督が製作、脚本、撮影、編集も手掛けている。
昨年の第75回ベネチア国際映画祭で金獅子賞(最高賞)を受賞し、今年1月22日に発表された第91回アカデミー賞では作品賞、監督賞、主演女優賞賞、助演女優賞、脚本賞、外国語映画賞、撮影賞、美術賞、録音賞、音響編集賞の10部門で候補に。『女王陛下のお気に入り』とタイの最多ノミネートとなった。
キュアロン監督は、「今回のノミネーションは映画業界を前に推し進め、湧き出てくる新たな意見や価値観を反映した作品創りの力となるでしょう」と喜びのコメント。「これまでスポットライトが当たらなかった、家政婦や先住民族の女性のような普通の人を主人公にして、私たちの日常に潜む小さな物語の積み重ねを描いた作品が評価される時代になったという、大きな意味を持っています」と続け、本作がノミネートされたことの意義を強調している。
キュアロン監督はこれまで『ゼロ・グラビティ』『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』(2004)などのヒット作を手掛ける一方、『最も危険な愛し方』(1991・劇場未公開)、『天国の口、終りの楽園。』(2001)などメキシコでも映画を制作。同じくメキシコを舞台にした『ルドandクルシ』(2008)、『ノー・エスケープ 自由への国境』(2015)などでプロデューサーとしても精力的に活躍している。
キュアロン監督のコメント全文は以下の通り。(編集部・石井百合子)
<コメント全文>
アカデミー会員のみなさまに、様々な部門で「ROMA/ローマ」を評価して頂いたことを感謝いたします。私たちは人間として同じ経験を共有しています。だからこそ、メキシコでの人生を描いたモノクロ作品が世界中で賞賛されていることを大変嬉しく思います。私たちは、多様性が受け入れられる’映画’という世界の中で、素晴らしい瞬間を生きています。今回のノミネーションは映画業界を前に推し進め、湧き出てくる新たな意見や価値観を反映した作品創りの力となるでしょう。これまでスポットライトが当たらなかった、家政婦や先住民族の女性のような普通の人を主人公にして、私たちの日常に潜む小さな物語の積み重ねを描いた作品が評価される時代になったという、大きな意味を持っています。この素晴らしいニュースをキャスト、制作スタッフそして何よりも大切な家族とメキシコの人々とともに分かち合いたいと思います。
映画『ROMA/ローマ』はNetflixで独占配信中