マハーシャラ・アリが2度目の助演男優賞!『グリーンブック』で天才ピアニスト役
第91回アカデミー賞
現地時間24日、第91回アカデミー賞授賞式が米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われ、映画『グリーンブック』(3月1日公開)のマハーシャラ・アリ(45)が2度目の助演男優賞を受賞した。マハーシャラは本作で地位と名誉を手にしているゆえに白人、黒人からも疎外される天才ピアニストにふんし、ゴールデン・グローブ賞、全米映画俳優組合賞(SAG賞)など前哨戦を総なめに。第89回アカデミー賞『ムーンライト』での助演男優賞受賞からわずか2年後の受賞となった。
壇上でマハーシャラは、主演のヴィゴ・モーテンセンをはじめとする共演者やピーター・ファレリー監督への賛辞と共に、自身の妻や子供たち、そして人生における教訓を教えられた祖母に感謝。「うまくいかなくても努力しなさい。常にポジティブでいなさいと私を支えてくれました。祖母なくして、私はここに立っていないでしょう」と感極まった表情で語った。
『グリーンブック』は、1962年、黒人ピアニストのドクター・シャーリー(マハーシャラ)と彼に雇われた白人の用心棒兼運転手トニー(ヴィゴ・モーテンセン)が、黒人用旅行ガイド「グリーンブック」を手に、人種差別が根強いアメリカ南部への演奏ツアーに出る物語。本作のプロデューサー、脚本を務めたニック・ヴァレロンガの父の体験談に基づくもので、『メリーに首ったけ』などコメディー映画の名手として知られるピーター・ファレリー監督がメガホンをとった。
マハーシャラが演じたのは、ホワイトハウスで演奏するほどの類まれな才能を持つ天才ピアニスト。数少ない映像記録からドクター・シャーリーの人物像を研究したといい、「実際に彼が話すのを聞いて、身のこなしを見て、彼がどんな人物だったのかを感じることができた。ただ、彼を知る最良の方法は彼の音楽を聴くことだった」とアプローチを振り返っている。
マハーシャラは、海外ドラマ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」や映画『ハンガー・ゲーム』シリーズなどに出演し、『ムーンライト』の演技で初のアカデミー賞助演男優賞を受賞。以来、Netflixドラマ「Marvel ルーク・ケイジ」や『アリータ:バトル・エンジェル 』(上映中)など大作への出演が続き、長編アニメーション映画賞候補作の『スパイダーマン:スパイダーバース』に声優として参加している。
助演男優賞の候補には、『バイス』でブッシュ大統領にふんし2年連続の同賞候補となったサム・ロックウェルのほか、『ブラック・クランズマン』のアダム・ドライヴァー、『アリー/スター誕生』のサム・エリオット、『ある女流作家の罪と罰』のリチャード・E・グラントら。ロックウェル、マハーシャラ以外は初ノミネートだった。(編集部・石井百合子)
第91回アカデミー賞授賞式は、2月25日(月)午前8時30分よりWOWOWプライムにて放送中(夜9時より字幕版放送)