映画が2本公開中!長谷川博己、時代劇と現代劇で異なる魅力
NHK連続テレビ小説「まんぷく」のヒロインの夫、萬平さん役も大人気の長谷川博己。現在、彼の出演した映画が2本公開中だ。現代劇と時代劇で異なる魅力を発揮している。
1本目は、佐藤健、小松菜奈、森山未來、染谷将太、青木崇高、竹中直人、豊川悦司らオールスターキャストによる歴史エンターテインメント『サムライマラソン』。江戸時代に行われた、日本初のマラソン大会と言われる「安政遠足(あんせいとあし)」を題材にした土橋章宏の小説に基づくもので、長谷川は安中藩の主・板倉勝明(いたくら・かつあきら)役に。和平を唱え開国を迫るアメリカ政府の使者ペリーに対し、日本への侵略を疑う彼は来るべき時に備え、藩士を鍛える遠足を開催する。
保守的な勝明に対し、娘の雪姫(小松)は得意な絵画を勉強し、いずれは異国に渡りたいと願う自由奔放な性格。そんな愛娘も締め付ける厳格な父親、そして重責を担う藩のリーダーとしての側面を貫禄たっぷりに演じており、一大イベントの遠足とともに変化していく表情にも注目。また、2013年の大河ドラマ「八重の桜」しかり、長身&切れ長の長谷川に和服が良く似合う! 衣装は黒澤明監督の『乱』でアカデミー賞衣装デザイン賞を受賞したワダエミ。
2本目は、『顔』『団地』などの阪本順治監督のオリジナル脚本による『半世界』。地方都市を舞台に、稲垣吾郎、渋川清彦演じるアラフォーの同級生との友情劇が展開する。長谷川が演じるのは、突然ふらりと町に戻ってくるワケありの元自衛官・沖山瑛介。妻子とも別れたようで、人が変わったような彼が、紘(稲垣)、光彦(渋川)と飲み、語り合い、生活を共にするうちに、秘めた過去を明かしていく。
瑛介は、先細りの家業(製炭業)、息子との不和に頭を悩ませる主人公の紘に少なからずの影響をもたらすことになるキーパーソンで、長谷川のダークな魅力がさく裂。物憂げな表情や狂気をも覗かせ、時限爆弾を抱えているかのような瑛介の危うさが、物語にも大きく影響している。また“元自衛官”という設定がポイントで、『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』2部作などでもアクションを披露してきた長谷川が、乱闘シーンも披露。キレのいい鮮やかな動きが見ものだ。
『サムライマラソン』『半世界』いずれも、40代を迎え、ますます輝きを増した長谷川の熟練の演技を堪能できる作品。来年は、明智光秀にふんする「麒麟(きりん)がくる」で大河ドラマ主演を務める。(編集部・石井百合子)