「酔うと化け物になる父がつらい」松本穂香&渋川清彦で映画化 依存症の父を持った娘の実体験
アルコール依存症の父親に振り回された人生をつづり、インターネット上で大反響となったエッセイ漫画「酔うと化け物になる父がつらい」が実写映画化されることが明らかになった。発表に合わせて、原作者である菊池真理子がイラストと共にメッセージを寄せた。
原作は、アルコールに溺れる父を持った作者・菊池真理子の実体験に基づくコミックエッセイ。2017年にウェブサイト「チャンピオンクロス」(秋田書店)上で連載され、温かみのある絵で、酔っぱらい“化け物”となって家に帰ってくる父の姿をユーモラスに描きながらも、家族に降りかかる、つらく衝撃的な展開が大きな話題を呼んだ。
父親は日々アルコールに溺れ、自宅で麻雀三昧。母親は新興宗教の信者。そんな両親のもとに生まれた主人公が、父の奇行と、母の孤独に触れながら、崩壊していく家族の中で、がむしゃらに未来を見つけようと生きる姿を描く。
物語の主人公・田所サキを演じるのは、NHK連続テレビ小説「ひよっこ」で注目されて以来、映画・ドラマ・CMなどで大活躍する女優・松本穂香。また、ダブル主演で酔うと化け物になるサキの父・田所トシフミを、『半世界』『柴公園』など脇役から主演まで引っ張りだこの実力派・渋川清彦が演じる。監督は、映画『ルームロンダリング』でも注目を浴びた新鋭・片桐健滋。
あまりにつらい体験を、ユーモラスにつづった本作。「家族ってなんだろう。血の繋がりってなんだろう。そんな事を考えながら、酔うと化け物になる父を抱える娘、サキを演じました」という松本は「そこに答えはないのかもしれない、愛はないかもしれない、けれど未来はある。この映画は、そんな事を感じさせてくれる映画だと思います」と心境を吐露。渋川も「毎日が濃くていい現場だったのですが、なんか整理がつかずなんだか言葉にできない感じがある。でも片桐監督にしか出来ない、ポップで切なくユーモアがあり光のあるコ洒落タ作品にはなるだろう。どんな風に仕上げるか楽しみです」と語っている。(編集部・入倉功一)