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吉高主演「わたし、定時で帰ります。」は働く女性の悩みがたくさん!

「絶対残業しない」をモットーとするヒロインを好演する吉高由里子
「絶対残業しない」をモットーとするヒロインを好演する吉高由里子 - (C)TBS

 吉高由里子主演のTBS系ドラマ「わたし、定時で帰ります。」(毎週火曜、夜10時~)が、女性のワーキングスタイルの縮図としても注目を浴びている。吉高演じる「絶対残業しない」をモットーとする一見ストレスフリーのヒロイン・結衣を筆頭に、人一倍努力しているのになかなか評価されない佳菜子(シシド・カフカ)、産後の職場復帰に焦る八重(内田有紀)ら、いずれも切実な事情を抱えている。(一部ネタバレあり、第4話までの内容に触れています)

【写真】「わたし、定時で帰ります。」舞台挨拶の様子

 自身も会社員を経験している朱野帰子の小説「わたし、定時で帰ります。」に基づく本作。TBSの連続ドラマへの出演は「ラブシャッフル」(2009)以来10年ぶり、主演は初となる吉高が演じる「定時で帰る」32歳のWEBディレクターと、それを取り巻く一癖も二癖もある社員たちとの交流から、「何のために働くのか?」「仕事とプライベートのバランスはどうとればいいのか」といった問題が浮き彫りになっていく。

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 ヒロインの結衣は、どんな時であろうと必ず定時で仕事を切り上げ、行きつけの中華料理店での一杯を日課とし、恋人の巧(中丸雄一)と過ごす時間を大切にしている。「定時で帰りづらい」というのは会社員であれば多くの人が思うことであり、周りが仕事に追われているなかで颯爽と帰っていく結衣はドライに見えるかもしれない。しかし、そこには新人時代に命の危険を感じたトラウマゆえの確固たる思いがある。また、決して「仕事よりもプライベートを優先」しているわけではない。第3話ではスポーツウェアメーカーのWEBサイト制作でスポーツ経験の乏しいならではのアイデアをクライアントに提案して見事成功。第4話では無駄なサービス残業が続き、もはや「会社に住んでいる」状態の吾妻(柄本時生)に「効率化」のテクニックを伝授する場面があり、結衣が定時退社を貫くためにいかに努力しているのかが垣間見えた。

わたし、定時で帰ります。
仕事と子育ての両立に苦戦する八重(内田)と、人一倍努力しているのに報われず苦悩する佳菜子(シシド)

 一方、結衣と対照的と言えるのが転職組の佳菜子。小学校の頃から1日も学校を休んだことがなく、常に「皆勤賞」という努力家だが、自分に厳しい分、他人にも厳しい。典型的なワーカホリックの副部長・種田(向井理)さえもやきもきするほど、仕事に全てを捧げている。第1話では新人の指導に熱心に当たっていたが決裂し、社内は何とも気まずいムードに。佳菜子からしてみれば「当たり前」のことであっても、新人にはそれが通用しない。「こんなに努力しているのになぜ自分は評価されないのか」と苦悩する佳菜子は、最も共感しやすいキャラクターかもしれない。そんな佳菜子にとって最も憎むべき存在だったのが、定時で帰りながらも自分よりも評価される結衣だが、ピンチを救ってくれたのもまた結衣だった。頑なに周囲に心を閉ざしていた佳菜子が氷解していくさまは、自分と全く異なる価値観に触れる大切さも教えてくれる。

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 そして、結衣の先輩で双子を出産後、早々に職場復帰したアラフォーの八重。自分の居場所がなくなることを恐れる八重は出社するなり、「子供がいるからといって特別扱いしないでほしい」と残業もいとわない「やる気」をアピール。子育てを夫にまかせているもののトラブルが多発し、母親として、キャリアウーマンとして、どちらにおいても中途半端に。ついに、大手飲料メーカーを相手にした案件で大失態を冒して窮地に陥る。追い詰められても「できない」と言えず、そんな自身を気遣う周囲に苛立ちを見せる。助けを乞うことの大切さと、その難しさ。八重は、ワーキングマザーの不安を代弁するかのような存在として描かれている。

わたし、定時で帰ります。
結衣の職場に派遣されたデザイナーにふんする清水くるみ

 第5話では派遣デザイナー・桜宮(清水くるみ)を巡る「セクハラ」をキーワードにしたエピソードが描かれる。(編集部・石井百合子)

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