クローネンバーグ監督の衝撃作『クラッシュ』ノーカット4K復刻版がベネチアで上映
デヴィッド・クローネンバーグ監督の問題作『クラッシュ』(1996)のノーカット4K復刻版が、第76回ベネチア国際映画祭で上映されることが決まったと The Playlist などが報じた。
『クラッシュ』は、1996年にカンヌ国際映画祭に出品され、審査員特別賞を受賞したものの、性描写が問題視され、当時その評価が賛否両論に分かれた衝撃作。映画プロデューサーのジェームズ(ジェームズ・スペイダー)と妻キャサリン(デボラ・カーラ・アンガー)は、お互いの不倫を認め、それぞれの情事を語り合うほどオープンな結婚生活を送っていた。ある日、ジェームズは車で帰宅途中に正面衝突事故を起こし、相手のドライバーは死亡。同乗していたドライバーの妻ヘレン(ホリー・ハンター)とともにジェームズは病院に担ぎ込まれる。しかし退院後、事故の衝撃を通して思わぬ性的興奮を感じていた二人は性行為に及ぶ。そして彼らは、事故の体験により新たなエクスタシーを開拓するグループを知り、その世界にのめり込んでいく。作家J・G・バラードの同名小説を映画化した。
4K復刻版には、クローネンバーグ監督と撮影監督ピーター・サシツキー監視のもと、レコード・ピクチャー・カンパニーとターバイン・メディア・グループが携わった。ベネチア国際映画祭で上映された後、世界の国々での配給が検討されているようだ。(細木信宏/Nobuhiro Hosoki)