イメルダ元大統領夫人のドキュメンタリー、ベネチアでワールドプレミア
フィリピンのイメルダ・マルコス元大統領夫人のドキュメンタリー映画『ザ・キングメーカー(原題) / The kingmaker』が、第76回ベネチア国際映画祭でワールドプレミア上映されると The Hollywood Reporter などが報じた。
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本作はShowtimeによるドキュメンタリー作品で、映画『クィーン・オブ・ベルサイユ 大富豪の華麗なる転落』でサンダンス映画祭の監督賞を受賞したローレン・グリーンフィールド監督がメガホンを取った。イメルダ夫人との1対1のインタビューや過去のアーカイブ映像、さらに彼女の不屈の精神や物議を醸した政治キャリアまで迫った作品になる模様。
イメルダ夫人は、1929年フィリピンのマニラ生まれ。8歳で母親を亡くし、弁護士の父親の仕事が減ったため、貧しい生活を送っていたが、セントポール大学を卒業し、フィリピンの中央銀行に務める。その後、数多くの「ミス・コンテスト」に出場し、ある日、「ミス・マニラ・コンテスト」の票集計に異議を唱えたイメルダの記事を見た、当時最年少の下院議員だったフェルディナンド・マルコスに見初められ結婚。
その後、1965年にフェルディナンドが大統領選に勝利したことで、ファーストレディーになったが、1986年に「ピープル・パワー革命」によって、彼らが暮らしていたマラカニアン宮殿を追い出され、ハワイに亡命。1991年に帰国してからは、1995年に下院議員に立候補して当選。その後、脳溢血で倒れるも一命を取り留め、2016年には下院議員選挙で3選を果たした。
イメルダ夫人を描いた作品は、ドキュメンタリー映画『イメルダ』(2003)がある。(細木信宏/Nobuhiro Hosoki)