おジャ魔女世代の女子3人の物語に!『魔女見習いをさがして』は来年5月公開
第32回東京国際映画祭
テレビアニメ「おジャ魔女どれみ」シリーズの20周年記念作品『魔女見習いをさがして』のスペシャルトークイベントが29日、六本木ヒルズアリーナで行われ、ベールに包まれていた作品の概要が発表された。
「おジャ魔女どれみ」は、1999年からテレビ朝日系列で放送された女児向け人気アニメ。今年3月の「AnimeJapan 2019」内で、20周年を記念する映画が制作中であることが発表された。現在開催中の第32回東京国際映画祭内で行われたこの日のイベントで、本作のストーリー、キャラクタービジュアル、本編コンテの一部が明らかになった。
本作の企画が立ち上がった背景として、東映アニメーションの関弘美プロデューサーは、「当時、アニメを放送する時は、3歳から8歳くらいの女児を対象にしていました。あれから20年たって。きっと昔、観ていた人の人生にもいろんなことが起こって大人になったと思うんです。今だから描ける、どれみの新しい世界を提示したいと佐藤(順一)監督にお話したのがはじまりです」と説明。佐藤監督も「他の作品の現場でも、アニメーター、声優たちから『どれみを観ていました』と言われるので、やる意味があるなと。久しぶりに、どれみに浸かってみようかなと思いました」と続けた。
本作の主人公は、大学生の長瀬ソラ(22)、会社員の吉月ミレ(27)、フリーターの川谷レイカ(20)の3名。年齢も住む場所も悩みも、何もかもが違う不器用な彼女たちは、幼い頃に「おジャ魔女どれみ」を観ていたことだけが共通点。そんな彼女たちが“魔法玉”によって引き合わされ、一緒に旅に出ることになる。その3人が出会うシーンのセリフ付き絵コンテは、かつてのアニメのテイストそのもので、会場内からもクスクス笑い声が漏れるひと幕も。鎌谷悠監督も「やはりどれみちゃんのファンに向けた映画になると思っているので、どれみっぽいテイストは大切にしたいなと思っていましたね」と付け加える。
3人は鎌倉、京都の桂川、飛騨高山、広島の尾道を巡るなど、ロードムービー的な要素があるという。「見ず知らずの3人が出会う。時間をおいて、いろんなところに一緒に旅をする中で仲良くなっていく。そういうストーリーにしました」という関プロデューサー。さらに「笑いのシーンは、昔のどれみとまったく同じノリですね。あと、どれみのシリーズはクラスメイトの男の子たちが、だめんずっぷりを発揮していましたけど、今回の映画に出てくる男性も、見た目はイケメンですが、結構だめんずな感じです」と明かした。
最後に、本作に込めたメッセージを尋ねられた関プロデューサーは、「『おジャ魔女どれみ』は強いヒロインに変身して悪者をやっつけるようなアクションシーンは一切ない作品ですが、みんなで相変わらず笑っていけたらいいなと。昔の視聴者も含めて元気が出てくるような、そういう作品になっているかなと思います」とコメントし、会場のファンの期待をあおった。(取材・文:壬生智裕)
映画『魔女見習いをさがして』は2020年5月15日より全国公開