日本の刑務所の中を長期撮影『プリズン・サークル』予告編公開
日本国内の刑務所の中を長期撮影したドキュメンタリー映画『プリズン・サークル』の予告編が公開された。犯した罪や自分自身と向き合う受刑者の姿が切り取られている。
同作は『Lifers ライファーズ 終身刑を超えて』『トークバック 沈黙を破る女たち』などでアメリカの受刑者たちを取材してきた坂上香監督が手がけた作品。取材許可まで6年を要し、島根県にある官民協働の刑務所「島根あさひ社会復帰促進センター」の中に2年間カメラを入れた。窃盗や詐欺、強盗傷人、傷害致死などで服役する4人の若者が、新たな価値観や生き方を身につけていく姿を映し出す。
「島根あさひ社会復帰促進センター」では「TC(Therapeutic Community = 回復共同体)」という受刑者同士が対話をベースに犯罪の原因を探り、更生を促すプログラムを導入しており、今回公開された予告編でも犯した罪について受刑者たちが語っている。また、受刑者たちが号令を行うシーン、食事をしたり、外で運動をしたりする場面も登場する。
翻訳家の金原瑞人は本作について「子どもの頃の記憶、犯行に走ったときの気持ち、被害者への思いなど、受刑者の語るひと言ひと言が、鋭い質問となって胸に突き刺さってくる。想像力をこれほど揺さぶる映画にはなかなか出会えない」とコメント。社会活動家・思想家のアンジェラ・デイヴィスは「一瞬たりとも、目が離せない。この映画は、静かに、私たちを沈黙という抑圧から解放する。刑務所を、受刑者を、そして観る者を」という言葉を寄せている。映画の公開は2020年1月25日から。(編集部・海江田宗)