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少年と子グマの出会い、そしてイオマンテ…現代アイヌ描く『アイヌモシリ』予告編

『アイヌモシリ』より
『アイヌモシリ』より - (C)AINU MOSIR LLC / Booster Project

 現代アイヌ民族のリアルな姿を描いた映画『アイヌモシリ』から、自らのアイデンティティーに揺れる、アイヌの血を引く少年の心の機微に触れる予告編が公開された。

【動画】『アイヌモシリ』予告編

 『アイヌモシリ』は、北海道阿寒湖・アイヌコタンを舞台に、アイヌ文化から距離を置く14歳の少年・カントの成長を描いた作品。長編デビュー作『リベリアの白い血』(2015)がロサンゼルス映画祭などで賞を受けた新鋭・福永壮志監督が5年をかけて作り上げ、アメリカの第19回トライベッカ映画祭の国際コンペティション部門で審査員特別賞を受賞した。

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 予告編が映し出すのは、美しいアイヌコタンの風景と裏腹に、浮かない表情を見せるカントの姿。民芸品店を営む母親のエミと暮らすカントは、一年前の父親の死をきっかけに、アイヌ文化から距離を置くようになっていた。

 しかし、亡き父親の友人・デボは、友人たちと始めたバンド活動に没頭するカントにアイヌの精神や文化を教えようと、彼を自給自足のキャンプに連れて行き、密かに育てていた子グマの世話を任せる。愛らしい子グマに笑顔を見せるカント。しかし、そのクマは、長年行われていない熊送りの儀式・イオマンテのために飼育されていた。カントの葛藤が垣間見える映像を、イフンケ(子守歌)、ムックリ(アイヌの口琴)などのアイヌの伝統的な音楽と、幻想的なアイヌコタンの風景が彩る。

 力強い眼差しが印象的なカント役を務めたのは、本作が初演技にして初主演となった、アイヌの血を引く新星・下倉幹人。その他主要キャストもアイヌが務めたほか、三浦透子リリー・フランキーらがゲスト出演している。(編集部・入倉功一)

映画『アイヌモシリ』は10月17日より渋谷・ユーロスペースほかにて全国順次公開

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