カルト的人気のSFアニメ『ファンタスティック・プラネット』5月公開
カルト的人気を誇るSFアニメーション『ファンタスティック・プラネット』(1973)の初のDCP(デジタルシネマパッケージ)上映が決まり、5月28日より渋谷HUMAXシネマほか全国で順次公開される。このたび新予告編と、『夜明け告げるルーのうた』などの湯浅政明監督、イラストレーターのみうらじゅんからのコメントが公開された。
本作はフランスのSF作家ステファン・ウルの小説「オム族がいっぱい」を基にした長編アニメ。ローラン・トポールが4年をかけて原画デッサンを描き、切り絵アニメーションという手法でルネ・ラルー監督が映画化した。青い巨人ドラーグ族によって人類オム族が支配される惑星で、ドラーグ族とオム族の種の存続をかけた闘いが描かれる。予告編には両者の対立するシーンなどが収められている。
みうらは「出てくるシュールなマシーンやクリーチャー。それにストーリー自体がブッ飛んでいますが、現代に於いては決して空想で片付けられない予言的メッセージも感じます」と語り、湯浅監督は「ボスやシュルレアリスムにも通じる、並ぶもののない、シュールで独創的な世界。そこで起こる対立・闘争・変化の渦へ我々は投げ込まれる」とコメントしている。
4月16日から30日まで渋谷HUMAXシネマでは劇場窓口にて、本国公認デザインのオリジナルTシャツ付き特別鑑賞券を販売(6,300円)。Tシャツは300着限定で、上映期間中の受け渡しとなる。また、同期間中はオリジナルステッカー付きドリンクの販売も予定されている。(清水一)
▼みうらじゅん
その存在は当然、存じておりましたが、こんなに面白い作品だったとは!
今では実写とも引けを取らない数々のアニメ作品。いや、むしろアニメの方がよりリアルにその世界観が伝わるのかも知れません。
しかし、この‘73年制作の『ファンタスティック・プラネット』は、敢えて初期アニメの作り方を踏襲し、リアルよりも空想の凄さに重きが置かれています。
出てくるシュールなマシーンやクリーチャー。それにストーリー自体がブッ飛んでいますが、現代に於いては決して空想で片付けられない予言的メッセージも感じます。
百聞は一見に如かず。あなたも『ファンタスティック・プラネット』を、この機会に是非、一度体験されてみては如何でしょう。
▼湯浅政明監督
ボスやシュルレアリスムにも通じる、並ぶもののない、シュールで独創的な世界。
そこで起こる対立・闘争・変化の渦へ我々は投げ込まれる。人間も家族も社会も出てくるが、物質、特徴、習慣、精神世界もこことは大きく違う。簡単な答えはない。
生き延びるには、ひたすら起こる出来事からそれを探り続けてゆくしかない。
それは我々にも必要な力、想像力だ。