『TENET テネット』ニール俳優が激変!狂気の灯台守役で強烈な演技
映画『TENET テネット』のニール役で多くのファンを獲得した俳優のロバート・パティンソンが、7月9日に日本公開されるダークスリラー『ライトハウス』では狂気に堕ちる灯台守役で、全く違う顔を見せている。
『ライトハウス』は1890年代、アメリカ・ニューイングランドの謎めいた孤島にやって来た2人の灯台守が嵐によって外界から遮断され、徐々に狂気と幻想に侵されていく姿を恐ろしくも美しい映像で描いたスリラー。ホラー映画『ウィッチ』で世界にその名をとどろかせたロバート・エガースの監督第2作で、2019年のカンヌ国際映画祭監督週間でお披露目されて大絶賛された。
パティンソンが本作で演じたのは、新人灯台守のイーフレイム ・ ウィンズロー。ベテラン灯台守のトーマス ・ウェイク(ウィレム・デフォー)から絶えずバカにされ、叱りつけられ、重労働を押し付けられている彼は、ウェイク同様に灯台の圧倒的な光の力に執着するようになり、二人の男の愛憎にまみれた異様な主導権争いはエスカレートしていく……。パティンソンは当時の方言を学んで髭を生やし、デニムのオーバーオールというカナダの木こりのスタイルで変貌。ほぼ全編にわたってウィレムとの両者一歩も引かない二人芝居を披露し、貧しい男性の暗い衝動を体現するさまにはゾッとさせられるはずだ。
エガース監督はそんなパティンソンについて、「彼はリハーサルから素晴らしかったのですが、そのプロセスにはイライラしているようでした」と明かす。パティンソンとしては、ミステリアスな役柄だけに、リハーサルで見せすぎることは避けたかったのだという。エガース監督は「デフォーは(入念なリハーサルをする)この環境をとても快適に感じていましたが、パティンソンはそうではありませんでした。しかし、それは彼の役柄と同じです。彼は自分の環境に慣れておらず、この摩擦がロバートの強烈で変革的なパフォーマンスを生み出すのに役立ったと思います。彼が苦悶する状態に没入し、そして怒りで爆発するのを見られたのは素晴らしいことでした」と振り返っている。(編集部・市川遥)