天海祐希、主演作初日にハッピー！1年越し『老後の資金がありません！』公開

　女優の天海祐希が30日、都内で行われた映画『老後の資金がありません！』の初日舞台あいさつに登壇し、新型コロナウイルス感染拡大の影響による1年の公開延期を経て迎えた、本作初日の喜びを語った。この日は松重豊、新川優愛、草笛光子、前田哲監督も来場した。

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　『老後の資金がありません！』は、老後の資金を貯めてきた主婦が直面する悩みをつづった垣谷美雨のベストセラー小説を映画化。老後は安泰と思っていた主婦・後藤篤子（天海）が、夫の失職、娘の結婚、金遣いの荒い姑との同居など、金絡みの問題に翻弄されるさまを描く。

　観客に向けて「楽しかったですか？」と問いかけた天海は、盛大な拍手に「ありがとうございます。とてもうれしいです」と笑顔。「篤子さんと楽観的なところは似ていると思います。でも、篤子さんみたいな大きな愛情で家族のことを想い、何とか家庭を成り立たせようと奮闘するのは難しいなぁ、絶対幸せになってもらいたいと思いながら演じていました」と2年前の撮影を振り返った。

　篤子に任せっきりの夫・章役の松重は、「天海さん演じる奥さんと家庭を持っていたことが現実にあったのかもしれない出来事のように思えて、非常に幸せだったという記憶だけが残っています」としみじみ。姑・芳乃役の草笛は、「（これまで）かき回すような役はあまりやっていないので、羽を伸ばしてやらせていただいたつもりです」と満足そうに語った。

　芳乃のおしゃれなファッションも見どころの一つ。草笛が自前の衣装を提供していたことを打ち明けると、前田監督は「芳乃の役は草笛さんそのものだと思っていました」とぶっちゃけ。さらに、芳乃の「わがままに生きた方が勝ちよ」というセリフについても、「草笛さんの言葉そのまま。最初は違うセリフだったんですが、草笛さんに『こういう固いセリフより、ほかにないの？』と言われて、脚本家の方にお願いしました」と裏話を紹介。そして、「いかに俳優さんたちがわがままに演じられるかを考えていました」と現場での姿勢を伝えた。

　氷川きよしの主題歌「Happy！」にちなんで、最近「Happy！」と感じた出来事を尋ねられた天海は、「この映画が公開できる今日を迎えたということ」と即答。「1年間の公開延期は制作サイドのみなさんの苦渋のご決断だったと思います。でも、その1年間はみなさんに、この映画を知っていただくためのお時間をいただけたと思えばいいじゃんと前向きに捉えました」と天海らしいポジティブな心情だったことも明かすと、「その結果、世の中のみなさまのご努力と忍耐のおかげで、こうして客席100％で公開初日を迎えることができて、こんなにハッピーなことがございましょうか！」と笑顔で呼びかけていた。（ 取材：錦怜那）