『スター・ウォーズ』エピソード3から17年 森川智之&浪川大輔、全力で挑んだオビ=ワンvsアナキン収録秘話
映画『スター・ウォーズ』シリーズでオビ=ワン・ケノービ&アナキン・スカイウォーカーの吹き替え声優を務めた森川智之と浪川大輔がインタビューに応じ、『スター・ウォーズ』にまつわる思い出や、『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』(2005)で描かれたオビ=ワンvsアナキンのアフレコ収録を振り返った。
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『スター・ウォーズ』屈指の人気キャラクターとして知られるジェダイ・マスターのオビ=ワン・ケノービと、彼の弟子アナキン・スカイウォーカー。オビ=ワンは、フォースにバランスをもたらす「選ばれし者」と予言されたアナキンを我が子のように育てあげたが、アナキンはダークサイドへと転落し、シスの暗黒卿ダース・ベイダーとしてオビ=ワンと対峙した。
取材日の5月4日は、世界中のファンが『スター・ウォーズ』の文化を祝福する『スター・ウォーズ』の日。映画『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』(1999)からオビ=ワン役を務める森川は、「初めて『スター・ウォーズ』に出会ったのは『エピソード4/新たなる希望』です。衝撃的な映像やメカニカルな要素などに少年心を掻き立てられて、一気にその世界観に入り込んでしまいました。ミレニアム・ファルコンに乗ったハン・ソロではないですけど、自分も映画館を出たら肩で風を切るくらいの入り込み具合でした」と振り返ると、浪川も「伏線回収がその後もできていることが非常に興味深いです。未知の世界であれだけ壮大なドラマが繰り広げられていると、現実で本当に起きているんじゃないかとか、想像力を掻き立てられますよね」と45年続くシリーズの魅力を明かす。
今年で公開20周年を迎える『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』(2002)からアナキンを演じた浪川は、「『スター・ウォーズ』に携わるようになってから、シリーズの奥深さを知るようになりました」と回顧。アナキンとの出会いは、自身のキャリアにも大きな影響を与えたという。「ダークサイドに堕ちるアナキンを演じた影響もあってなのか、闇堕ちするキャラクターの役が非常に増えました。それぐらい影響力があるといいますか、非常に幅が広がって、役者としてもキャリアアップさせてもらいました」
新3部作の完結編となる『シスの復讐』では、オビ=ワンが暗黒面に堕ちたアナキンと激突。クライマックスで描かれる惑星ムスタファーの対決では、『スター・ウォーズ』史の中でも一二を争う激しいライトセーバーバトルが繰り広げられた。
『シスの復讐』の日本公開から17年。森川は「ファンの皆さんは、あのシーンを観たいという思いがあるじゃないですか。(私たちも)あそこで全てを出さなくてはいけないという思いが強く、収録した後は相当疲れました」とクライマックスの収録を振り返る。
かつての師であるオビ=ワンに向けた、アナキンの「あんたが憎い!」というセリフも印象的だ。浪川は「今だから言える裏話かもしれないですが、アナキンの『あんたが憎い!』だけリテイクがあったんです」と切り出すと、「別日にあのセリフだけ撮り直していました。流れで収録したものと別で収録したバージョン、どちらが使われたのかは定かではないのですが、本当にあのセリフしか収録してなくて、何十回とあのテンションで叫んでいました」と告白。浪川の渾身のセリフに、森川も「あの『あんたが憎い!』は相当すごいよ」と太鼓判を押した。
森川は、『シスの復讐』から10年後の世界を描くドラマシリーズ「オビ=ワン・ケノービ」(ディズニープラスで5月27日配信開始)で再びオビ=ワンに声を当てる。「最新作でユアン・マクレガー(オビ=ワン役)のビジュアルを見た時、役と共に年齢を重ねているからなのか、ものすごく説得力があったんです」と語る森川は、「僕もユアンと同じように年を取ってきたと思うと、今だからこそ表現できるものがあるのかなと思います」と自信をのぞかせると、「『エピソード3』から『エピソード4』の間、皆さんが気になるストーリーを僕も楽しみたいと思います」と笑顔を浮かべていた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)