2世信者の苦悩と葛藤を描く『息衝く』緊急再上映
2世信者の苦悩と葛藤を描く群像劇で、2018年に公開された映画『息衝く』が9月3日より東京・ポレポレ東中野、9月10日より大阪・シアターセブンにて緊急上映されることが決まった。
『息衝く』は、核燃料再処理工場がある青森県六ヶ所村で生きる家族の決断を描いた『へばの』などの木村文洋監督による社会派ドラマ。東日本大震災以降の日本を舞台に、政権与党の政治団体でもある新興宗教団体の信者を親に持つ2世信者たちが、自身の信仰と政治活動の狭間で葛藤し苦悩する姿を映し出す。
ポレポレ東中野では、上映後に「『宗教・政治・家族』を巡って」と題したトークイベントも連日開催される。(清水一)
木村文洋監督
映画『息衝く』を2010年頃から数多くのキャスト・スタッフ、協力者とともに製作し、2017年より上映してきました。本作は二世信者を主人公にした映画であり、私の10代の人生経験、親族、友人のことが根本にありました。スタッフとの共作で一個人の体験や問いを超え、様々な方の生きる課題を見つめる映画になったかと思います。いま改めて、この国の長年の信仰と社会との関係が問われています。ひとはなぜ迷いながらも自分以外のもの-家族、社会、信仰を必要とするのか。そしてひとは自分が生きている間の時間にどうにかできる分からない問題に直面したとき、なにを選んでその問題と関わりを持ち直していけるのか。いま改めて、この問いに見つめ返されている思いでいます。本作の再上映で、そうした問いを私たちの日常から考えていける機会にできれば幸いです。