「大奥」ブチ切れ久通が「カッコ良すぎ」 貫地谷しほりがハマリ役
よしながふみ原作のNHKドラマ「大奥」(毎週火曜よる10時~10時45分)の「八代将軍吉宗・水野祐之進編」で、吉宗の右腕の御用取次・加納久通を演じる貫地谷しほりがハマリ役と注目を浴びている。
2月28日に再スタートとなった「八代将軍吉宗・水野祐之進編」では相変わらず冨永愛演じる凛々しくタフな8代将軍・吉宗への“上様コール”が巻き起こっているが、その吉宗との名コンビぶりが人気の久通。吉宗の幼なじみで、紀州時代から吉宗に仕えている。柔らかな笑みを浮かべる久通は一見おっとりしているように見えるがキレ者で、かつて対立していた大奥総取締の藤波(片岡愛之助)は陰で「タヌキばばあ」と呼んでいた。「五代将軍綱吉・右衛門佐編」では綱吉(仲里依紗)に絶対的な忠誠を誓う側用人・柳沢吉保(倉科カナ)の強すぎる愛が話題を呼んだが、久通もまた主君に生涯をささげる人物として描かれている。
久通にまつわる7日放送・9回のハイライトの一つは、後継者問題を巡って吉宗に執拗に進言する老中・松平乗邑(黒沢あすか)をたしなめる場面。吉宗の長女・家重(三浦透子)をさしおいて次女・宗武を次期将軍に推す乗邑に対して、理詰めで攻め「本来、嫡子でない者を家臣が担ぎ出し跡目を云々することを俗に“謀反”と申しますが」とピシャリ。「徳川と世のためを思って……」としどろもどろになる乗邑を「上様がそなたより徳川や世のことを考えていないとでもいうつもりか! 不遜の極みとはまさにこのこと」と論破し、黙らせた。この様子には吉宗も目を丸くし「ちびっておったのではないか。あやつも」「珍しいのう、そなたが」と圧倒されていた。
仏から鬼の形相となった久通。吉宗に盾突く者を許すまいとする忠臣ぶり、そして怖さが垣間見えるシーンで、「キレが益々凄まじい」「久通の啖呵たまんねえ」「久通のピシャリ痛快」「カッコいい」「ぴったりでサイコー!」「久通好きすぎる」と歓喜の声が続々。その後に「将軍の器とは他を思う心の有無ではないか」と持論を語る久通が、幼いころにすでにその片鱗を見せていた吉宗を思い返す場面ではしんみりとしたムードに。「上様と久通の絆にグッときた」「美しくて胸熱」と視聴者の心を揺さぶっていた。
来週放送の10回の予告では吉宗、久通も歳を重ねて白髪交じりの姿に。久通が涙ながらに吉宗に「ありがとうございました」と頭を下げる場面も見られ、2人がどのように人生を締めくくるのか注目を浴びている。(編集部・石井百合子)