玉山鉄二、9年ぶりの次元大介「生きている心地がした」紆余曲折を経て映画完成

　俳優の玉山鉄二が10日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた Amazon Original 映画『次元大介』のワールドプレミアイベントに出席。長い時間をかけて本企画を成立させたプロデューサーの情熱に、思いを馳せるひと幕があった。プレミアには真木ことか、さとうほなみ、草笛光子、橋本一監督も来場した。

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　「ルパン三世」（原作：モンキー・パンチ）シリーズの人気キャラクター・次元大介をメインに据えた本作は、長年連れ添ってきたコンバット・マグナムに違和感を覚えた次元が、世界一のガンスミス（銃職人）を探して日本にやって来るところから始まる物語。オトと名乗る少女と出会った次元は、彼女と行動を共にするようになるが、ある日、悪名高いスラムのボスで伝説の元殺し屋・アデルとその右腕・川島がオトを連れ去ってしまう。

　小栗旬主演の実写映画『ルパン三世』（2014）で次元を演じた玉山にとっては、9年ぶりの次元役となった。「本当はもっと早い段階で撮影予定だったのですが、新型コロナとかいろいろあって、ずれ込んでしまいました」と切り出すと、「前回は（仲間の）ルパンや五ェ門がいて、という安心感がありましたが、今回は次元目線のストーリー。半年くらいかけての撮影で、アクションやお芝居がありと、すごく有意義な半年間を過ごして、僕としては生きている心地がした半年でした」と充実感をにじませる。

　橋本監督も「皆さんの中にもアニメの次元大介のイメージがあると思いますが、人間が演じる役なので、最初からそこにいきすぎないというのは心がけていました。ともすればアニメの真似をしようとなるところだと思いますが、そこは玉山さんがストイックに次元を演じていただけたのでよかった」と玉山とのタッグを振り返る。玉山も「すごく柔軟な監督で、アクションなんかも、僕たちの意見もそうですし、アクション監督と話しながら構築していきました。ワントーンでいかないように、たくさんバリエーションもたせるように見せられるようにと議論しながら、時間をかけながら構築していきました」と続けた。

　次元といえば、ガンアクションが見どころとなるが「アニメのような感覚で見ると、次元って世界一のガンマンで、（銃を）構えている時点で敵を倒しちゃってるんですよね」と語る玉山。「そうすると、アクションの尺が短くなるので、いかに延ばして、いかにそこに至るまでのプロセスをどう構築していくか、ということを何度も監督と話し合いました。派手に見せなきゃいけないところで、どうアイデアを込めて見せるか。逆にシンプルに見せて、抑揚をつけるかといった具合に。そういう話をしました」と重要ポイントを解説した。

　一方、子役の真木は、玉山からクリスマスプレゼントとしてぬいぐるみをもらったことを明かす。「（今年は）クリスマスプレゼントはないんだなと思っていたのでうれしかったです」と笑顔を見せると、玉山も言葉を補足するように「彼女は本当に撮影をがんばっていました。しかも、京都という見知らぬ土地でクリスマスを過ごすことになっていたので、どうにかクリスマスの日にもテンションをあげてもらいたいなと思って。どのぬいぐるみがいいかなと調べたところ、ドイツの職人さんが手づくりでつくっているものがあったので、それを選んでプレゼントしました」と述懐。イベント中に「次元の相棒といえば S&W M19 コンバット・マグナムですが、あなたの相棒は何？」と質問されたことを踏まえた真木も「わたしの相棒です！」とにこやかに回答した。

　改めて玉山は、「企画は『ルパン三世』の撮影が終わってすぐに立ち上がったのですが、その間も立ち上がっては消え、プロデューサーがいろいろと駆け回ってくれたり、いろんなところに情熱を語って復活して、そんな時にコロナになって作品が撮れなくなったりもしました」と紆余（うよ）曲折あってもなお、本企画成立に駆けずりまわったプロデューサーに思いを馳せつつも、「出演している僕たちだけじゃなく、裏で情熱をかけて一生懸命動いてくださった人がいます。僕は本当に彼には、大きな大きな感謝をしています。本当にいろんな人間が情熱をかけて、時間をかけてつくりあげた作品なので、とことん楽しんでください」と会場に呼びかけた。（取材・文：壬生智裕）

『次元大介』は10月13日より Prime Video にて世界同時配信