松本幸四郎、市川染五郎の「鬼平とは」満点回答に破顔「私のせがれなんです」
十代目松本幸四郎が23日、丸の内ピカデリーで行われた映画『鬼平犯科帳 血闘』完成披露上映会に、息子である八代目市川染五郎と共に出席。幸四郎は染五郎の「鬼平」に対する思いを聞くと「素晴らしい」と絶賛した。
松本幸四郎&市川染五郎が親子登壇『鬼平犯科帳 血闘』完成披露フォトギャラリー
本作は、池波正太郎の三大シリーズの一つとして知られ、累計発行部数3,000万部を突破する「鬼平犯科帳」を、松本幸四郎主演で新たに映像化した時代劇シリーズの劇場版。江戸時代後期、悪党どもから“鬼の平蔵”と恐れられた火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)長官・長谷川平蔵の捕物(罪人の捕縛)を軸に、濃厚な人間ドラマを描く。
上映後の舞台あいさつ。多くの拍手のなか登場した幸四郎は「よってたかってすごいものを作りました」と、登壇した仙道敦子、中村ゆり、本宮泰風、浅利陽介、山田純大、久保田悠来、志田未来、北村有起哉、山下智彦監督の顔を見渡す。
長谷川平蔵といえば、幸四郎の叔父にあたる中村吉右衛門さんが演じていた役。幸四郎は「私にとっての鬼平とは」というお題に「天命」と答えると「『鬼平犯科帳』という映像作品が、いつの時代にも存在するんだということを示さなければいけない。そして長谷川平蔵という人物を演じるのは自分の天命なんだと思い込ませる必要がある」と覚悟を持って臨む役であることを強調する。
若き日の鬼平、“本所の銕(てつ)”こと長谷川銕三郎を演じる染五郎は、同じお題に対して「職人たちのこだわりの結晶」と回答。その言葉の真意について染五郎は「役者の皆さんはもちろん、監督、スタッフの皆さま、関係者の皆さま、職人たちが結集してこだわって作っている作品なんだということを現場で感じていました」と述べると、幸四郎は「素晴らしい」と評価。さらに幸四郎が、観客に向かって「私のせがれなんです」と笑うと、会場からは大きな拍手が巻き起こった。
プロフェッショナルな職人たちが挑んだ『鬼平犯科帳 血闘』。幸四郎は「傑作だと思っております」と胸を張ると「『鬼平犯科帳』は、人と人とが繋がり合って起こるドラマを色濃く描く人間物語です。過去の作品と見比べていただきたいと思いますし、初めて作品に触れる方も、ぜひ楽しんで観ていただきたいです」と語っていた。(磯部正和)
映画『鬼平犯科帳 血闘』は5月10日より全国公開