「アンチヒーロー」25分拡大の最終話で38分38秒の法廷シーン 明墨vs伊達原「勝負は法廷で」飯田Pが予告
16日夜9時から25分拡大で放送されるTBS系の日曜劇場「アンチヒーロー」最終話を前に、プロデューサーの飯田和孝がメディア向けの試写会に出席し、最終話の注目ポイントを明かした。
「アンチヒーロー」は、殺人犯をも無罪にしてしまう弁護士・明墨正樹(長谷川博己)の姿を通して、視聴者に「正義の反対は、本当に悪なのだろうか……?」を問いかける逆転パラドックスエンターテインメント。明墨ら法律事務所のメンバーは、12年前に起きた「糸井一家殺人事件」で死刑判決を受けた志水裕策(緒形直人)の冤罪を証明するために奔走していたが、明墨は緋山啓太(岩田剛典])を無罪にした町工場社長殺人事件における証拠隠滅罪で逮捕されてしまった。
最終話では、明墨を証拠隠滅罪に問う裁判が描かれる。裁判を担当するのは、明墨の因縁の相手である検事正・伊達原泰輔(野村萬斎)だ。飯田プロデューサーは、見どころの一つとして法廷シーンを挙げると「AP(アシスタント・プロデューサー)さんが調べたところ、25分拡大の最終話で、法廷シーンは38分38秒あるそうです」と驚きの告白。「やはり法律ドラマである以上、勝負は法廷でするべきだと。最後は大法廷シーンになるだろうと思っていました」と続けた。
飯田プロデューサーが最終話で注目する人物は、明墨に協力する緋山だ。「岩田さんのラストシーンが本当に好きなんです。第1話冒頭の明墨先生のセリフとリンクしてきます」と予告する。
「そのセリフは、ドラマで伝えたかったことだったりします。殺人犯というレッテルは、その後も貼られたままになります。例えば会社でハラスメントをした噂が流れれば、どの部署に行っても『あの人が…』と言われ続けます。人間が生きている以上、それは絶対に払拭できないこと。反省したから次の一歩が踏み出せるというドラマが大抵だとは思いますが、そういう風にはしたくなかった。世の中の現実をしっかりと表現したかったので、緋山のシーンはそういった意味でも好きなシーンです」
さらに、オンエア当日(6月16日)は父の日。飯田プロデューサーは、ドラマに登場する親子にも注目してほしいとアピールした。「ドラマの企画書の表紙には、明墨先生が志水を冤罪にしてしまったことで、彼が家族を奪われてしまった少女(紗耶)を救う物語と書かれています。2020年に最初の企画を立てたのですが、2020年12月に私の子供も生まれて、そこから付け足した要素だったりするんです。最終回は、志水と紗耶、 倉田功(藤木直人)と紫ノ宮飛鳥(堀田真由)、伊達原と娘、彼ら自身にとって何が大切なのか、感覚や感情に注目してほしいです。16日は父の日ですし、そういったことを踏まえて、親子で観ていただけるといいかなと思います」(取材・文:編集部・倉本拓弥)