「光る君へ」吉高由里子&佐々木蔵之介、まひろと宣孝の結婚を振り返る
吉高由里子が紫式部(まひろ)役で主演を務める大河ドラマ「光る君へ」(NHK総合・日曜午後8時~ほか)で夫婦役として共演した吉高と佐々木蔵之介が、紆余曲折のあった夫婦生活を振り返った。28日放送・第29回放送後に公式Xなどで公開されたインタビュー動画「君かたり内」で語っている(※ネタバレあり。第29回の詳細に触れています)。
第29回「母として」では、まひろの娘、賢子(永井花奈)が数えの三歳に。子ぼんのうな宣孝(佐々木)に賢子もなつき、家族で幸せなひとときを過ごしていた。しかし宣孝は任地に戻ったまま帰らぬ人となった。宣孝はまひろの父・為時(岸谷五朗)の親友であり、まひろが幼いころから一家を見守ってきた存在。まひろが越前守となった為時に同行し越前で暮らしていたころ、宣孝から突然求婚。まひろは自身に想い人がいることをわかったうえで「ありのままのおまえをまるごと引き受ける」という宣孝に押されて結婚を決めた。
まひろが書にしたためた「お酒を飲んで寝ると時々息が止まる」という描写から、宣孝が「睡眠時無呼吸症候群」ではないかという見方もあったが、第29回では宣孝の正妻の従者がまひろのもとを訪れ、宣孝が「にわかな病」で亡くなったことを告げた。吉高はこの時のまひろの心境を「「え、この間までめちゃくちゃ元気だったのに」っていう。宣孝さんの笑顔が飛び込んできたなっていう風に感じていて。そのにわかな病なんて知らされてもないし、知らないし、あんなに元気だったのに嘘なんじゃないのかなっていう。多分、まだなんか他人事じゃないですけど、なんか自分の家族に起こったことって受け止めることができてないんじゃないかなっていうシーンだったなっていう感じです」と振り返る。
一方、佐々木は宣孝のあっけない最期について「結局はまひろからいろんなものをいただいてばっかりだなって。いろんなことを最後いただいてばっかりだけど、賢子を命名することができたという。そして多分彼は天寿を全うできたなって。途中で折れたわけではなく、天寿を全うして亡くなったなって。まだ未来はあったかもしれないけど、その未来の種のさえも今持ったまま何かが尽きたとか枯れたではなく、そのままいけたなっていうふうに思っております」と天寿を全うしたと受け止めている。
初めは突然のことを受け入れられずにいるまひろだったが、賢子が父の姿を捜し求めているのを見て涙を流す。吉高は、まひろにとって宣孝がいかに大きな存在であったかを改めて思い返す。「それこそ、賢子の年齢の時からずっとまひろのことを宣孝さんは見ていただろうし、ただの夫としてじゃなくて、面倒を見てくれるおじちゃんっていう感覚から自分が成人していって、少女を超えてちょっと大人になってきて、お父さんの話は嫌だけど宣孝とは話せるっていう時代もあったと思いますし、まひろの全部を知ってると思うから、本当に抜け殻みたいになっちゃうんじゃないかなっていう風な気持ちでした」
まひろに猛アタックしてゴールインした宣孝だったが、結婚後は若い妾に気を移して夫婦仲がぎくしゃくした時期もあった。しかし、まひろが道長(柄本佑)の子を身ごもり離縁を申し出た際には、それを拒絶。二人で子を育てようという懐の深さでまひろを感激させた。佐々木は、これまで二人が歩んだ道のりを思い返しながら、宣孝のまひろへの揺らぎない思いをこう語る。
「彼女といると未来が見えるとか、違うものを自分が感じることができる。もっと先知りたいって言ってるのと、やっぱ近いところを彼女に対して思ったのかなと。だから本当に好きだったというか、「俺は惚れ切っておるゆえどこにも行かぬ」って本当に惚れ切っていたのだと思います。惚れ切ってないと、あれだけ土産をいつもいつもあっちこっちであそこまで買ってこないと思うんですね。本当にちゃんと土産を買ってくるっていうのは、本当に惚れ切っていたんだと思います。結婚したては「全てお前を受け入れる」と。「丸ごと受け入れるんだ」って。「私は不実な女です」「いや、それもお互い様である」と。「それも含めてお前のことを受け入れる」って言ったけど、結婚したあとはお互いが嫉妬し合ったりとか、何かし合ったりしてってなるけど、それはそれであれなんですけど、 本当に子供ができたっていうところも含めて、そこからはもう結婚前と後は違うんですけど、すごく愛していたんだなと思いますね」
また、佐々木は「僕とまひろの絆をもっと強めてくれた」のが娘・賢子だと言い、「自分とではこの子供産めなかったかもしれないけど、2人の間の子としてもうけることができたということを宣孝は考えたのではないだろうかなと。まあ、本当によくわかってる人やなって。だから「この子はわしに福を呼んでくれる子やもしれん」とまで言っていますから。実際そうであったし、この子を慈しむことがこの家族であり、いろんなことにおいて非常に良くなっていくってことはわかってたし、自分では得られなかったことだと思うので、そういう風な考え方をしてるんではないかなって思っております」と振り返っている。(編集部・石井百合子)