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実写版「ウイングマン」桂正和40年の思いが詰まったスーツ秘話

製作陣の思いが詰まったウイングマンスーツ
製作陣の思いが詰まったウイングマンスーツ - (C)桂正和/集英社・「ウイングマン」製作委員会

 テレ東ほか・ドラマチューズ!「ウイングマン」(10月22日スタート・毎週火曜深夜24時30分~)で、1980年代に一世を風靡(ふうび)した人気漫画の実写化に挑んだ坂本浩一監督が、原作者・桂正和の約40年越しの思いが詰まった“ウイングマンスーツ”に込められたこだわりについて語った。

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 1983年から1985年にかけて「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載された「ウイングマン」は、ヒーローに憧れる少年・広野健太が、描いたことが現実になる不思議なノート“ドリムノート”の力で、空想の戦士“ウイングマン”に変身して戦うヒーロー漫画。桂が愛する特撮ヒーロー作品に影響を受けた独自の作風は熱狂的な支持を集め、アニメ化やゲーム化もされるほどの人気を獲得した。

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 主人公の健太は、ドリムノートを手にする前から“ウイングマン”のスーツを自作し、所構わず“変身”して騒動を巻き起こしていたが、連載当時、桂もスーツを制作し、自らコスプレを披露していた。それだけに、実写版スーツに対しても、並々ならぬこだわりがあったと坂本監督は振り返る。

 「実写ドラマ化にあたって、桂先生が新たにデザインを描き起こしてくれました。そのデザインを造形物として製作する時に、スーツの素材や細部の作り込みまで、徹底的にこだわられていました。ウイングマンのボディの色も、黒一色ではなく、部位により微妙に違う黒を使っていたりするんです。桂先生に納得していただけるスーツを目指して、造型部と相談しながら作業を進めました。製作途中で何度も桂先生自ら造形工房までいらして、細かい修正の指示を出されていました」

健太のスーツにも注目(C)桂正和/集英社・「ウイングマン」製作委員会

 スーツ制作を請け負ったのは、スーパー戦隊シリーズをはじめ、数多くの特撮作品に携わるレインボー造型企画。坂本監督は「実は桂先生が当時コスプレ用に作ったウイングマンスーツもレインボー造型さんが製作していたんです。しかも、当時のスーツの原型がまだ残っていたので、そこからデータを取って、桂先生からの新しい提案を具現化するためにブラッシュアップしていきました。まさに、40年越しの思いが詰まったスーツになりました!」と明かす。

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 スーツの素材にも、特撮作品で培われた長年の知恵と経験が生かされている。「例えば、ウルトラマンのようなウエットスーツ素材だと破損しやすいので、屋外でのアクションの撮影には適していなかったり、戦隊ヒーローのスーツだとディテールを作り込む生地の厚みが足りません。一部の仮面ライダーで使われている素材が良さげだったので、それをベースにレインボー造型さんに色々と探って頂きました」

 また、健太が自作する赤いウイングマンスーツもアップデート。「原作だとツギハギのスーツですが、桂先生が『今のコスプレイヤーはすごく本格的だから、健太が特撮番組に出せるレベルのスーツを作れてもおかしくない』というお話をされて、新しくデザインされています。40年前に描かれた作品ですが、今の時代に通ずる要素が多いのはさすがだと思いますね」

 そうして完成したスーツなだけに、シルエットの細さも原作通り。スーツアクターの人選にもこだわったといい、坂本監督は「自分の監督した『仮面ライダーガッチャード』でエターナル役を担当した、橋渡竜馬が担当しています。体型がはっきりと出るスーツになったので、シルエットを重視しながら、今回はお芝居の場面もすごく多かったので、アクションと演技、両方の条件がそろっている橋渡がやっています」と明かす。

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暑さだけは何十年経っても変わらない(C)桂正和/集英社・「ウイングマン」製作委員会

 まさに、40年の思いと技術が詰まった最新版スーツ。ただ坂本監督は、どんなに月日が経っても変わらないものもあると語る。「やっぱり、どんなに素材が改良され動きやすくなっても、撮影中のスーツアクターは本当に大変です。今作は夏場の撮影だったので、家のなかでアオイと会話するシーンだけでもすごい暑さで、足元に汗で水溜りが出来たくらいです。スーツアクターは皆、体調管理に気を使っていますが、暑さは何十年経っても変わらないですね(笑)」(編集部・入倉功一)

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