「海に眠るダイヤモンド」杉咲花、宮本信子の仕草のリンクに感激 告白シーン秘話も明かす
神木隆之介が主演を務める日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」(TBS系・毎週日曜よる9時~)で、主人公・鉄平(神木)の幼馴染、朝子を演じる杉咲花のインタビューが公開された。第7話までを経て、鉄平と心を通わせつつある朝子は、現代パートにおいて旧姓のいづみ(宮本信子)として登場。過去と現在をつなぐ重要な役どころを演じる杉咲が、宮本による演技のリンクや、放送時に反響を呼んだ第6話の告白シーンの舞台裏を振り返っている
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「海に眠るダイヤモンド」は、1950年代の石炭産業で躍進した長崎県・端島と現代の東京を舞台にした、高度経済成長期と現代の日本を結ぶ、70年にわたる愛と友情、家族の物語。「アンナチュラル」「MIU404」を手掛けた脚本家・野木亜紀子、監督・塚原あゆ子、プロデューサー・新井順子のトリオが、端島の炭鉱員の家に生まれた鉄平(神木)と、現代の東京のホスト・玲央(神木/一人二役)という、違う時代に生きる主人公を描く。
ーーこれまでの放送を見ての感想を教えてください。
誰かの隣にいようとする気持ちや信念を持って何かに取り組むこと、失敗があっても前を向いて懸命に生きることの美しさが描かれた人間讃歌のような本作に、痺れるほどの活力をいただいています。
ーー現代のいづみを演じる宮本信子さんのお芝居とリンクさせたことはありますか?
一度、現代パートの撮影現場を見学させていただいたことがあったのですが、宮本さんがそこにいらっしゃるだけで匂い立ってくる人生の厳しさや歓び、憂いのようなものに圧倒されてしまったんです。そのとき、外見的に何かを寄せていくというアプローチでは到底バトンをお渡しすることができないと痛感しました。いづみさんのなかに流れるリズムや趣のようなものを少しでも取り入れられたらいいなと思いつつ、何より朝子という人の悲しみや楽しみをひも解いて、命いっぱいに演じることに集中しようと心に決めました。
それからしばらくしたとき、“髪を耳にかける”という仕草を宮本さんがリンクさせてくださっているとお聞きして、とってもありがたくうれしい気持ちになりました。
ーー鉄平たちよりも少し年下という設定の朝子。脚本・野木亜紀子さんからも「年下感を出してくださっていて感激している」とコメントがありました。朝子を演じるうえで大切にしていたことは?
そんなお言葉をいただけてすごくうれしいです。朝子の視点は、自分自身の生活や家族、島の人々、そして鉄平といった、とても個人的なところに向けられているように感じたんです。端島という小さな島のなかで生まれ育ち、食堂の娘として毎日を忙しなく勤しんできたからこそ、そこから一歩外に出た世界のことをまだ知らないピュアネスな部分。それは百合子(土屋太鳳)や鉄平、賢将(清水尋也)に守られてきた部分でもあって。人々との関わり合いを通して、朝子という人物がより瑞々しく映るように演じられたらと思っていました。
告白シーンの新境地
ーー第6話での鉄平が朝子へ告白するシーンが大きく話題を呼んでいますが、撮影現場での裏話をお聞かせください。
あのシーンは、事前に塚原あゆ子監督や神木さんと「より生々しく、ドキュメンタリータッチのシーンにできたら」というアイデアを共有していました。その共通認識をもとに初めてリハーサルをしたとき、鉄平から発せられるひと言ひと言が、想像をはるかに上回るほど純度高く飛び込んできて。まるで鉄平という人物が、神木さんの心拍を追い越しているのではと感じるほどのフレッシュさに、鳥肌が立ちました。そうしているうちにだんだんと照れ臭くなってきて、思わず私が笑ってしまったんです。それを見ていた塚原監督が「まさにそんな緊張感のなかで、発語されるよりも前に、お互いが相手の言いたいことを汲み取ってしまうイメージ」とおっしゃったことで、あのようなシーンができあがっていきました。
ーーこれまでの放送でお気に入りのシーンはどこですか?
第1話でいづみさんが端島を見たときの表情が忘れられません。酸いも甘いもたくさんの経験をし、懸命に生きてきたいづみさんへ、端島はあのときと変わらずずっとそこにあり続けたのだという、存在への祝福のようなものを感じる本当にすごいシーンでした。
ーー約4か月間の撮影を振り返っていかがでしたか?
個人的に、これまでも多くの作品でご一緒してきた神木さんとの再共演は、もちろん安心感もありましたが、プレッシャーでもありました。どのようなアプローチをしたら、既視感を極力抱かずに朝子と鉄平として見ていただけるのだろうか、と。そんな気持ちを共有し、自分たち自身もより踏み込んだ率直な関係性で日々話し合いながら過ごせたことは、とてもよい形でお芝居にも作用した部分があったのではないかと感じています。
何より鉄平のように、そこにいる人々へ分け隔てなく接し、誰からも愛される神木さんが主人公だったからこそ成し得たことだと思うので、心から感謝をしています。