「海に眠るダイヤモンド」新井P、最終話「端島の人々の人生を見届けて」神木発案“告白シーン”秘話も明かす
神木隆之介が主演を務める日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」(TBS系・毎週日曜よる9時~)を手掛ける新井順子プロデューサーが、22日に控える最終回スペシャルに向けた思いを語った。
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「海に眠るダイヤモンド」は、1955年からの石炭産業で躍進した長崎県・端島と現代の東京を舞台に描く、70年にわたる愛と友情、家族の物語。「アンナチュラル」「MIU404」『ラストマイル』の脚本家・野木亜紀子、監督・塚原あゆ子、プロデューサー・新井順子が、端島生まれの炭鉱会社職員・鉄平(神木)と、現代の東京のホスト・玲央(神木/一人二役)という、違う時代に生きる主人公を描く。
端島に生きる若者たちの青春と激動の人生が、現代に生きる玲央の人生をも変えていく本作。最終回を間近に控えた新井プロデューサーは「たくさんの元島民の方々や、東京にいらっしゃる方々、そして撮影にご協力いただいた方々のお話を元にして、(端島で起きた)実際の出来事も取り入れながら過去と現代をリンクさせるという、高度な構成への挑戦でした。視聴者の皆さんも『次はどこに連れて行かれるんだろう』と感じながら観ていただいたのではないでしょうか」と振り返る。
放送中、SNSを中心とした視聴者からの反響も見てきた新井プロデューサー。そのなかでも特に大きな反響を呼んだのが、第6話で描かれた鉄平と朝子の告白シーンだった。「鉄平と朝子の告白シーンはすごい評判をいただきました。ドラマに入っていない俳優さんからも『どうやったらあんなふう撮れるんですか?』と聞かれることもあったくらい。本当に思わぬ反響でした」
「6話は、他の回と比べてすごく平和なんです。それまで台風が来たり、労働闘争が起きたり、戦争がテーマだったりと波乱が多かった中で、この回だけが唯一、ずっと平和なので、逆に『ほっこりしすぎ』と言われないか心配していました。でも、意外なほどの反響があり、“6話が最終回でいいんじゃないか”みたいな意見もすごくいただきました。(坑内火災が起きる)7話は嫌な予感しかしないということで(笑)」
アドリブのように自然な二人の反応は、神木の提案をきっかけに生まれたものだったという。「神木さんは、“恋愛リアリティーショーのようにしたい”とずっと言っていました。観ている人が『頑張れ!』って応援したくなるような感じにしたいと。塚原監督も、遠くから望遠で二人を狙うように指示されて、本当にナチュラルな状態で撮影していました。後で現場にいなかった人たちに『こんなシーン撮ったんだよ!』って興奮して見せたりするくらい手応えを感じていました。放送では短くなっていますが、実際はもっとセリフの溜めや間があったんです。5分ぐらい長回しをしていたので、いつか全部お見せしたいですね」
「杉咲さんがカメラに背を向ける形で涙を拭く場面も、自然と出てきた演技です。具体的にどんなリアクションをするかについては指示がなかったので、杉咲さんがその場で感じたまま演じたんだと思います。結果的に、感情が自然に溢れ出るような演技になりました。以前にも、杉咲さんが撮影中に思わず涙を流してしまい『すみません、泣いてしまいました。もう一回やった方がいいですよね?』と言ったことがあったんです。でも監督が『そのままでいい』とおっしゃって、OKになったことがありました。初めて会った頃から成熟したお芝居をされていましたが、より磨かれていて、本当に“心で芝居をされているんだな”と感じましたね」
まさに役と一体となった俳優たちとの二人三脚で歩んできた「海に眠るダイヤモンド」。新井プロデューサーは「8話あたりから、本格的に最終回に向けてリンクがいくつも見えてきました。(2時間SPは)9話と10話をまとめてお届けするような形になるので、皆さんには謎解きのような楽しさも感じてもらえるといいなと思っています」と語る。
「全ての謎が解き明かされまくる2時間スペシャルといいますか(笑)。もともと、9話と10話は前編・後編くらいの気持ちで考えていましたが、結果的にスペシャルとしてまとめてお届けする形になりました。その分、さらに濃密な展開になっています。鉄平も含めて、端島のみんなが現代でどうなっているのかも描かれるので、彼らの人生を最後まで見届けてほしいです」
「視聴者の方々からは『過去派』『現代派』なんて声もいただきますが、最終回では現代パートに新しいキャラクターも登場して、本当に『人生は地続きだな』と感じられる内容になっています。考察を楽しんでいる方は、自分の推測が当たっているかどうか確認してほしいですし、そうでない方も、みんなの人生を見守るような気持ちで楽しんでいただければ。(Xの)タイムラインでネタバレを踏まないよう(笑)。ぜひオンタイムでご覧ください。そして、最終回をご覧になったらもう一度、1話から振り返っていただきたいですね。『ここがこう繋がっていたのか』とか、新しい発見があると思います」(編集部・入倉功一)
日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」最終回2時間SPは12月22日(日)よる9時~10時50分(56分拡大)