「べらぼう」一番怖いのは風間俊介…“笑顔”に怯える視聴者続出

横浜流星主演の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」の2月16日放送・第7回では、吉原のために版元の仲間入りをしようとする蔦重(横浜)と、その行く手を阻む鶴屋(風間俊介)ら地本問屋が真っ向から対立する展開となり、風間に対して「目が笑っていない」「一番怖い」と戦慄する視聴者の声が相次いだ(※一部ネタバレあり)。
第7回「好機到来『籬(まがき)の花』」では、偽板づくりの罪で捕らえられた地本問屋の鱗形屋(片岡愛之助)に対して蔦重が「俺がハメたようなもの」と罪悪感を抱く一方、鶴屋や西村屋(西村まさ彦)らはすぐさま、鱗形屋に代わって誰が細見を作るのかと議論。そこへ待ったをかけたのが蔦重で、「これからわたしが細見を出してお前さんが改を続けられるようにしてやるからね」と猫なで声の西村屋に対して、蔦重は「お心遣い、ありがとうございます」と一度は笑顔を浮かべながらも「けど今後は俺が版元となって細見を出します」ときっぱり。
鶴屋は「前に仲間内の者しか版元にはなれぬ定とお伝えしたかと存じますが」と“丁寧”に諭そうとするも蔦重は一歩も引かない。「それはさすがに厚かましいぞ!」と声を荒げる西村屋に、蔦重は「俺に任せてくれりゃ今までの倍売れる細見を作って見せますぜ」と宣言。西村屋が「できるわけ…」と言いかけるも、鶴屋は「なるほど…」と立ち上がり「ではまず見せていただきましょうか。その倍売れるという細見を」「そのうえで本当に倍売れたらその時は仲間に加わっていただくということでいかがでしょう?」ともちかけた。
一件、公平な提案をしたかのように見えた鶴屋だが、蔦重が去るやいなや「そもそも倍なんて売れるわけありませんよ」と余裕の笑みを浮かべ、「それに蔦重の細見がさほど売れぬよう、よい細見を出すという手もありますよね」と西村屋に水を向けた。
後半では、西村屋が小泉忠五郎(芹澤興人)と組んで細見を完成。その出来栄えに鶴屋をはじめとする地本問屋たちが勝利を確信するなか、蔦重が満を持して登場。鶴屋は「あ~楽しみにしてたんですよ。倍売れる細見とやらを」と笑顔で“歓迎”するも、蔦重のアッと驚く細見を目にするとみるみるうちに表情を曇らせていった。得意満面の蔦重に対して鶴屋は「売れるかもしれませんね」と答えながら、その次の瞬間には「倍売れるかもしれませんが……」と意味深な言葉をつぶやいた。
蔦重を“吉原者”と蔑む地本問屋たちのなかで、常に感情を表に出さず物腰の柔らかい鶴屋。視聴者の間で特に注目されているのが彼の笑顔で、「鶴屋さんの笑みが怖い」「いい人そうなのが一番厄介」「不気味」「不穏だ」と怯える視聴者が続出し、なかでも「目が笑っていない」と指摘する声が多数。大河ドラマ「麒麟がくる」(2020~2021・徳川家康役)や、「べらぼう」と同じ森下佳子が脚本を務めた「大奥」(2023・杉下役)、「監察医 朝顔」シリーズ(2019~・桑原刑事役)などでは好感度の高いキャラクターで人気を博していた風間だが、打って変わっての一筋縄ではいかないヒールが「一番怖い」「こういう裏がある役うまいよな」と高い評価を受けている。
「裏のある」役柄といえば、昨年7月に公開された映画『先生の白い嘘』では、人当たり良く社交的なエリートサラリーマンと、女を見下して暴力をふるう猟奇的でサディスティックな男という二面性を持つ難役で注目を浴びた。(石川友里恵)