2016年の旅行先候補!映画のロケ地に行きたい
今週のクローズアップ
今年も残すところあと1週間。今年やり残したこと、来年やってみたいこと。人それぞれさまざまに考えている時期ではないでしょうか。大作映画が多数公開された今年、映画はたくさん観に行けたけど旅行にあまり行けなかったという、そんなあなたにこの特集をお送りします!(編集部・海江田宗)
■日本国内のロケ地を紹介します!
「よし! 取材にかこつけて海外映画のロケ地に行きまくってやる! 『ジュラシック・ワールド』のロケ地はハワイでしょ、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は絶景と言われるアフリカのナミブ砂漠! おまけに『007 スペクター』でロンドンも行けるな。会社のお金で世界一周旅行だ! マイルも貯めるぜ!」とテンション上がりまくりでスタートした本企画でしたが、「そんな大金出るわけないでしょ。行くなら自費でどうぞ」という、弊社のエラ~イ方からの有り難き助言をいただき、今回の旅行先候補の映画ロケ地は日本国内に限って紹介させていただきます(絶対いつか海外のもやってやる……)。気持ちを切り替えて、国内の方が読者の方も行きやすいと思いますし、日本食は美味しいし、日本各地にはまだ知られていない美しいロケーションがたくさんあります。それでは早速ロケ地紹介を始めてまいります。
■鎌倉の四姉妹の物語、映画『海街diary』は日光でも撮影されていた!
是枝裕和監督が吉田秋生のベストセラーコミックを映画化した『海街diary』。鎌倉で暮らす、幸(綾瀬はるか)、佳乃(長澤まさみ)、千佳(夏帆)の元に異母妹のすず(広瀬すず)が身を寄せ、四姉妹の心の交流を鎌倉の四季を通して描いています。
美しい鎌倉の風景が印象的な物語ですが、重要なポイントとなったシーンは栃木県の日光で撮影されていました。15年前に家を出て行った父の訃報が届き、父の葬儀のために鎌倉に住む3人が向かった山形県の河鹿沢温泉駅の設定で、日光市にある「わたらせ渓谷鐵道 足尾駅」が登場します。撮影の際には駅の看板は足尾駅から河鹿沢温泉駅に張り替えられ、撮影専用列車も運行したんだとか。また、同市にある庚申ダム付近の山道は河鹿沢温泉駅から家までに向かう近道の設定でロケが行われました。
わたらせ渓谷鐵道は、群馬県桐生市の桐生駅から栃木県日光市にある間藤駅を結ぶ鉄道で、足尾銅山事件でも有名な足尾銅山と深いつながりのある鉄道です。桐生からの鉄道が足尾駅まで開通したのは、今から100年以上も前の1912年という歴史ある鉄道で、沿線にはトロッコ電車で坑内に入ることができる「足尾銅山観光」や、駅舎と温泉が一体化した珍しい温泉「水沼駅温泉センター」などの観光スポットが多数あります。
■剛田猛男が大暴れ!仙台の街には『俺物語!!』のロケ地がたくさん
鈴木亮平が30キロも体重を増やしてゴツい高校生主人公・剛田猛男を演じた『俺物語!!』は、監督の河合勇人もロケ撮影にピッタリ! と評した杜の都・仙台で撮影が行われています。河合監督が「仙台は海も山も川も都会も田舎も小一時間で行ける」と言っているように、仙台市周辺には同作のロケ地が多数あります。
まず冒頭で猛男が壁ドンならぬ壁ドカンをかましていたのは仙台市内にある、せんだいメディアテーク。猛男が壁ドカンで大和凛子(永野芽郁)を守り、そして好きになってしまうシーンが撮影された場所は、ガラス張りの美しいデザインが特徴の建物で、同市における美術や映像文化の情報を多数保管する活動拠点として、人々の情報交換が行われる公共施設でもあります。
猛男と大和の友人たちが合コンをするシーンは八木山ベニーランドで撮影が行われました。仙台の人から、「近所にある、夢の国。」として親しまれている同園から徒歩約5分のところには、猛男と凛子のデートシーンが撮影された八木山動物公園があります。
そして猛男が「俺たちは良い友人だ」と大和に声をかける切ないシーン。この夕暮れがとても美しいカットは仙台市から車で約一時間行った柴田町にある白石川にかかるさくら歩道橋の上で撮影が行われました。
白石川の堤には1,200本ほどの桜並木が続き、「一目千本桜」とも言われており、桜が咲き誇る時期には多くの観光客が訪れます。
■トヨエツと榮倉の大人の恋愛は三重県・伊賀で撮影されていた
榮倉奈々の足に豊川悦司がキスをするというドキドキのシーンでも話題となった映画『娚の一生』は、田舎の一軒家に住むことにした堂薗つぐみ(榮倉)が50歳を過ぎても独身の大学教授・海江田醇(豊川)と出会い、奇妙な同居生活を送るうちに、心を通わせていく様子を描いた大人のラブストーリーです。原作でつぐみが移り住む架空の田舎は角島県鶴水市とされていましたが、映画の多くのシーンに登場したロケ地は三重県の伊賀市でした。
物語のキーとなる下屋敷家は 同市山神地区の古民家で撮影され、撮影現場を訪問した原作者の西炯子が「イメージに近い!」とびっくりするほどドンピシャのロケ地でした(ただしこのお家は私有地なので勝手に立ち入ってはいけません。プライベートエリアを撮影、見学する際には所有者の許可が必要です)。その他にも鶴水市役所として伊賀市役所の本庁が登場したり、鶴水警察署として伊賀市役所の伊賀支所が使用されたりと、伊賀市も本作の撮影に大いに協力していたようです。
忍者の町として有名な伊賀市には、伊賀流忍者博物館や伊賀上野城があります。他にも俳人・松尾芭蕉の出生地としても知られており、「古池や蛙飛びこむ水の音」の 句碑のある蓑虫庵などもあります。見どころがたくさんの観光地を訪れた際には、『娚の一生』のロケ地も一緒に巡ってみてはいかがでしょうか。