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2016年の旅行先候補!映画のロケ地に行きたい(2/2)

今週のクローズアップ

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■巨匠・山田洋次が選んだロケ地!映画『母と暮せば』ロケ地in長崎

母と暮せば
(C) 2015「母と暮せば」製作委員会
母と暮せば
【黒崎教会堂】 ながさき旅ネット様より

 吉永小百合二宮和也が初共演で母子を演じた『母と暮せば』は、広島を舞台にした「父と暮せば」などの戯曲で有名な劇作家・井上ひさし氏の遺志を受け継いだ山田洋次監督が、舞台を長崎に据えて送るファンタジー。終戦後の長崎で助産師をしながら、一人で暮らす伸子(吉永)のもとに原爆で死んだはずの息子・浩二(二宮)が現れ、楽しかった思い出や浩二が残していった恋人の話をして過ごす日々を描いています。

 平和への願いが込められた本作の重要なシーンが撮影されたのは、長崎にある黒崎教会堂です。1920年に完成した歴史ある教会で、遠藤周作の小説「沈黙」の舞台ともなった黒崎の地にあります。撮影には、神父さんや信徒の方々、約100人がエキストラとして出演しており、教会内にあった椅子や照明などは全て撤去して床にゴザを敷き、終戦直後の教会の様子を再現したそうです。

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母と暮せば
【平和祈念像】 ながさき旅ネット様より

 医学生の浩二が大学に行くために路面電車に飛び乗るシーンでは、長崎市内を走る長崎電気軌道株式会社の路面電車が使用されており、地元のエキストラ約100人が乗った超満員電車で撮影されたそうです。もちろん、長崎を訪れて、実際に走る路面電車にテンションが上がっても、「おーい、待ってくれんね」と言いながら電車に飛び乗ることは禁止です。

 長崎には長崎原爆資料館や、軽く閉じられたまぶたで原爆犠牲者の冥福を祈る平和祈念像のある平和公園など、平和への願いが込められた場所がいくつもあります。『母と暮せば』を観て、長崎のロケ地を訪れ、平和への思いを再確認してみるのはいかがでしょうか。

母と暮せば
【路面電車を使った撮影の様子】 長崎県フィルムコミッション様より

■北鎌倉の縁切り寺・東慶寺を滋賀で再現!『駆込み女と駆出し男』ロケ地

駆込み女と駆出し男
(C) 2015「駆込み女と駆出し男」製作委員会
駆込み女と駆出し男
(C) 2015「駆込み女と駆出し男」製作委員会

 井上ひさし氏の時代小説「東慶寺花だより」を基にした『駆込み女と駆出し男』は、江戸時代に離縁を求める女たちが駆け込んだ縁切り寺・東慶寺を舞台に、寺に駆け込んでくる女たちの聞き取り調査を行う御用宿の居候(大泉洋)が、さまざまなトラブルに巻き込まれながら訳あり女たちの再出発を手助けしていくさまを描いた、笑いと涙の人情エンターテイメントです。

駆込み女と駆出し男
【三井寺】 滋賀ロケーションオフィス様より

 実際の東慶寺は今も北鎌倉にあるのですが、撮影では滋賀県のお寺がロケ地として多数使用されました。滋賀のロケ地のメッカと呼ばれる三井寺もその一つです。三井寺は正式名称を長等山園城寺(ながらさんおんじょうじ)といい、滋賀県大津市、琵琶湖南西の長等山の中腹にあります。近江八景の一つ、「三井の晩鐘」といわれる大きな鐘でも知られています。このお寺は同作では東慶寺の御門として登場し、タイトルにもある、駆け込みのシーンはここで撮影されました。ロケ地のメッカと呼ばれるだけあって『武士の献立』『柘榴坂の仇討』『るろうに剣心』など数多くの映画のロケ地として使用されています。本物の東慶寺に駆け込むことを考えている人は一度こちらのお寺に駆け込んでから、もう一度ゆっくり考え直してみてもよいかもしれません。

 また、東慶寺の中門、参道のシーンで撮影が行われたのは滋賀県の東近江市にある百済寺(ひゃくさいじ)です。百済寺は今から1,400年以上前に渡来人のために聖徳太子が創建した近江の最古級のお寺で、歴史ある参道の石垣や老杉、本堂近くにある仁王門は江戸時代後期を舞台とした『駆込み女と駆出し男』のロケ地としてうってつけの場所でした。三井寺に駆け込んでも、まだ本物の東慶寺への駆け込みを考えている人は最終判断の前にこちらのお寺に駆け込んでからでも遅くないと思います。

駆込み女と駆出し男
【百済寺】 滋賀ロケーションオフィス様より
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