ウーマン村本、AKBよりアラフォー女性と結婚したい!
映画たて・よこ・ななめ見!
ジブリで宮崎駿監督の出待ちをしちゃうほど映画大好きな村本大輔と、映画に関しては素人同然の中川パラダイスが、あらゆる角度からブッ飛んだ視点で映画トーク。今回は等身大の独身女性を描いた大ヒット映画の第3弾『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』をななめ見しちゃいます! 村本が独身アラフォー女性のキモチに共感しまくり! (取材・文:シネマトゥデイ編集部 入倉功一)
村本、ブサイクヒロインにゾッコン?
村本:しかし、ブリジット(レニー・ゼルウィガー)はかわいくないな! よくもまぁこういう人を主人公にしたなって思うで。けど実際、世間を見渡したら8割、9割の女はかわいくないからな。
中川:何てこと言うねん! (ブリジットは)確かに美人じゃないけど……。
村本:映画だとこういう不細工キャラが出てきても、後で「おまえきれいやったんかい!」ってなったりするけど、ブリジットはどの角度から見ても主役を張れるような美しさがない。
中川:僕はちょっと、恋愛対象にならんわ。
村本:でもね、俺は最終的に結婚するんやったら、彼女みたいな女性の方がいいって思うのよ。
中川:え? なんで? 僕はブリジットの同僚のキャスターやってた娘の方がいいと思ったで。若く見えたし、何か人生謳歌している感があって。
村本:かわいいこいつを自分のものにしたい! とは思わん。でもな、例えば若いAKB48の子らなんて、付き合ったって5年もしたら別れそうな気がするで。でもその点ブリジットは、20代の女の子らよりも相当いろんな恋愛をしてきているわけや。言うたら酸いも甘いも知って完璧な状態で出荷された、熟れた果実。人生の後半でこんな人と付き合ったら、墓場まで一緒や! ってなると思う!
恐怖の「村本・ジョーンズの日記」
村本:キャリア女子の映画やったら『プラダを着た悪魔』や『マイ・インターン』が大好きなんやけど、それらとはまた違う、初めて観るタイプの女性向け映画って感じがして面白かった! キャリアウーマンとしてだけじゃなく、女性としての生き方を追っているというか。
中川:恋に仕事に頑張るだけじゃなく、本当に「ありのままの独身女性」を追ってる感じやな。
村本:お笑いのレベルも高くてコメディーとしても良くできてるから、食べ物で言うたら、すっごく口に入れやすい映画。やけど、同時にめちゃめちゃメッセージ性も高い。ブリジットなんて、「こじらせ女子の代表」やん。俺もかなりこじらせてるから、めっちゃ共感してしまったわ!
中川:僕は結婚して子供もおるから男目線でしか観れんかったな~。ブリジットを巡って争うマーク(コリン・ファース)とジャック(パトリック・デンプシー)の立場。妊娠中の嫁がブリジットみたく、「ほかの男の子供かも」とか言ってきたら嫌やな……って。
村本:いや、(マークとジャック)どっちの子供かっていうのは、実はこの映画ではあまり重要じゃないのよ。それより、二人を天秤にかけて、どっちにもいい顔をして、相手を決められないところが問題なわけや。多分、これまでブリジットはああやって、ズルズルと決断せんかったから独身のままなんやろうな。そして、この歳まで独身の俺は、そんなブリジットの気持ちが痛いほどよくわかる! 結婚が遅くなれば遅くなるほど、人はしっかりとした幸せを求めるようになって、石橋をたたき過ぎてしまうのよ。おまけに最終的にその橋を渡らないで、そのまま歳をとってきた。そのあたりがブリジットと一緒! 幸せが近づけば近づくほど、無意識に跳ね返してしまうのよ。
中川:こじらせてるな~。そこまで気持ちがわかるのがすごいわ。
村本:Facebook上で同時に二人の人妻を口説いてたら、その二人に「実はわたしたち知り合いなんです」って同時にばらされたっていう、ブリジット顔負けの経験もしてるからな。
中川:そんな『ブリジット・ジョーンズの日記』怖すぎや!
村本:シリーズも今回で終わりみたいやから、今後はぜひ「村本・ジョーンズの日記」を続編として作っていただきたい!
これだけは言いたい!ななめ見ポイント
中川:1作目から観てきた女の人たちは、ブリジットが(前作で)結婚目前みたいになっていたマークと別れていて、もう1回付き合って……っていう展開をどう思うのか気になった。最後に誰と結婚するんか、気になるんちゃう?
村本:でもね、実は俺、誰かと結婚できたらハッピーっていうのは、物語を締めくくるために用意された要素でしかないと思ったのよ。
中川:結婚が幸せじゃない?
村本:子供を作ること、結婚することがゴールじゃなくて、そこに至るまでのストーリーこそが幸せだったんやということよ。パチンコ台でいえば、モテ期をつかんでこれなかったブリジットは、毎回スリーセブン(7が3つそろう)を逃してる人やと思うねん。「人間パチンコ」のテントさんは先日亡くなってしまわれたけど。
中川:うん、本当に残念やったな……。
村本:ともかくブリジットは、ずっと結婚できない、つまり幸せ(7)が横並びにならないである意味どんどん不幸になっていったけど、映画を観ると、その間に周りの人たちからものすごく愛される存在になっていたことがすごく伝わってくるわけ。だからこの映画は、スリーセブンを逃していても、回し続けた人が最終的に勝つんだというのを証明していると思う。そして俺は、この映画のそんなところを愛せた!
中川:どうしたん!? 素晴らしい感想やんか!
中川、素直すぎる感想をぶっちゃけ!
中川:でも実は僕、ブリジットに全然興味がわかなかったのよ。彼女みたく43歳で独身の女の人のことを積極的に知ろうと思わんから。
村本:おまえはこのくらいの年代の人ともう関わってもないから感情移入できんのやろ。それこそおまえ、これが20代の女の子の話とかやったらもっと興味がわいたんちゃう?
中川:まあ、単純に熟女に興味がない……。
村本:確かに、申し訳ないけどおまえのコメント、さっきからうっすいと思ってたわ。この映画にも興味ないやろ。
中川:いやいや、それは面白かったって! はまってるよ。
村本:嘘つけ! 『グリーン・インフェルノ』以降、おまえがこの連載で興奮しているところなんか見たことないわ。
中川:……それ、どんな映画やったっけ? 思い出されへん。
村本:それも忘れてるやん! おまえはホンマに……全部適当か! 人肉食う映画、あったやんか。
中川:ああ、それか。思い出したわ。
村本:怖いわ……おまえ。仕事に感情が入ってないから1個も覚えてないねん。「中川・ジョーンズの日記」は、1ページ書くごとに前のページが削除されていくんやな!
今月の激オシ映画はコレ!
恋に仕事に奮闘するアラサー独身女性の日常を描き大ヒットした『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズ第3弾。前作から十数年を経てアラフォーになったヒロインが、既婚者の元恋人と、新たに出会ったIT企業の裕福なイケメン社長との間で揺れ動く。前2作に続きブリジットをレニー・ゼルウィガー、マークをコリン・ファースが演じるほか、テレビドラマ「グレイズ・アナトミー」シリーズなどのパトリック・デンプシーが新たに登場。1作目を手掛けたシャロン・マグアイア監督がメガホンを取る。
(C) Universal Pictures.
ウーマンラッシュアワー・プロフィール
2008年に結成された、村本大輔と中川パラダイスによるお笑いコンビ。2011年「ABCお笑い新人グランプリ」最優秀新人賞受賞、2012年「THE MANZAI 2012」決勝進出、2013年NHK上方漫才コンテスト優勝など数々の賞に輝き、4月に東京進出。先ごろ行われた「THE MANZAI 2013」で見事優勝し、3代目王者に輝いた。
村本大輔 1980年生まれ。福井県出身。自分でも「ネットに書き込まれるうわさはほとんどが事実です!」と認めている、自称・ゲス野郎芸人。だがその一方で、ジブリ作品やピクサーなどの心温まるアニメが大好きで、映画『あなたへ』で号泣するほどのピュアな一面も持ち合わせる大の映画好き。水産高校に通っていたため(中退)、お魚系や海洋ネタにも意外に詳しい。「AbemaNews」チャンネルのニュース番組「AbemaPrime」(毎週月~金曜日21:00~23:00生放送)にて月曜レギュラー出演。
中川パラダイス 1981年生まれ。大阪府出身。これまで10回もコンビ解散している村本と唯一トラブルもなくコンビを続けている広い心の持ち主。2012年に入籍し、現在1児の子育てを満喫中のイクメンパパでもある。映画に関しては、「王道なものしか観ない」というフツーレベル。