激震の雨傘運動、中国返還20周年…香港映画界の今(4/4)
映画で何ができるのか
座談会メンバープロフィール
●チャン・ジーウン
香港バプテスト大学で映画制作を学び、ジョニー・トー主宰の新人監督発掘コンペティション「鮮浪潮」の助成金を得て短編『表象および意志としての雨』(2015)を製作。ドキュメンタリー映画『乱世備忘-僕らの雨傘運動』(2016)は第35回バンクーバー国際映画祭で海外初上映され、中国版アカデミー賞こと第53回台湾金馬奨最優秀ドキュメンタリー賞にノミネートされた。
●ヴィンセント・チュイ
1965年香港生まれ。米国のロヨラ・メリーマウント大学で映画制作を学び、香港に戻った1997年に独立映画制作者グループ「影意志」を結成し、映画制作のほか香港の独立映画の宣伝なども実施。代表作に、アン・ホイと共同監督したドキュメンタリー映画『アズ・タイム・ゴーズ・バイ(英題)/ As Time Goes By』(1997)がある。2008年からは香港インディペンデント映画祭を創設し、香港と海外の自主映画界の交流を行なっている。
●リタ・ホイ
香港舞台芸術アカデミーの映画・テレビ部門卒。短編映画の制作や数々のビデオ・インスタレーション・プロジェクトに携わり、初長編映画『デッド・スローリー(英題)/Dead Slowly』(2009)は第14回釜山国際映画祭で上映された。現在は制作活動と並行して、香港シティ大学クリエイティブ・メディアスクールで講師を務めている。
●マック・ジーハン
1990年代初めから短編映画の制作を開始。現在は香港テレビ局(RTHK)に所属し、映像ディレクターとしてドキュメンタリーやドラマを制作している。
●ウィリアム・クォック
1969年香港生まれ。香港舞台芸術アカデミーで演劇デザインを学び、その後、N.Y.のスクール・オブ・ビジュアル・アーツで映画制作を学ぶ。長編3作目の『ダークネス・ブライド(英題)/DARKNESS BRIDE』(2003)は第8回釜山国際映画祭やベルリン国際映画祭フォーラム部門で上映された。
●リム・カーワイ
1973年マレーシア生まれ。大阪大学基礎工学部電気工学科卒。通信会社に6年間勤務した後、北京電影学院監督コースに入学。合作映画の助監督やコーディネーターを経て、自主映画『アフター・オール・ディーズ・イヤーズ』(2009)で長編監督デビュー。“シネマ・ドリフター”の異名をとり、世界各国で制作活動を行っている。代表作に『マジック&ロス』(2010)、『新世界の夜明け』(2011)、『Fly Me to Minami 恋するミナミ』(2013)。今回の日本・香港インディペンデント映画祭を企画・主催者でもある。