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アクションのつるべ打ち!10月の5つ星映画5作品はこれだ!

今月の5つ星

 今月の5つ星映画は、人気アクション映画の続編、ベネチアの金獅子賞作品、日仏合作映画、ビートルズの音楽映画、爆笑R18作品。これが10月の5つ星映画5作品だ!

アートの域に達したアクションのつるべ打ち

ジョン・ウィック:パラベラム
(R), TM & (C) 2019 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

ジョン・ウィック:パラベラム』(10月4日公開)

 キアヌ・リーヴスが伝説の殺し屋を演じるアクションシリーズ最新作。CGでも爆発でもなく、俳優陣とアクションチームが手を組んだ、肉体を駆使したアクション。これこそが本作の最大の魅力でもあり、今回もスタント畑出身のチャド・スタエルスキ監督のアクション愛が炸裂。これで死人が出ないのか? と心配になるほどアクションの難度はパワーアップしている。銃とカンフーが融合したガン・フーはもちろん、犬と敵を殺すドッグ・フー、大都会で馬に乗るチェイスシーン、雪合戦の如くナイフを投げまくる格闘と、ほぼ休みなしで展開するアクションと美しい映像の融合は、もはやアートの域に達している。アクション映画ファンにとっては、マーク・ダカスコスや『ザ・レイド』のヤヤン・ルヒアンらの参戦もうれしいところだろう。ハル・ベリー演じる元殺し屋ソフィアに、エイジア・ケイト・ディロン演じる裏社会トップ組織の“裁定人”ら女性キャラクターも、前作でルビー・ローズが演じたあの殺し屋アレスに匹敵する存在感を発揮している。(編集部・入倉功一)

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オスカー大本命!狂気の道化師に酔いしれる2時間

ジョーカー
(C) 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & (C) DC Comics”

ジョーカー』(10月4日公開)

 コメディアンを夢見る心優しき主人公アーサーが、悪のカリスマ=ジョーカーへと変貌していく人間ドラマ。子供たちに笑いを届けたいと純粋に思いながら生きている男が、混沌と化したゴッサムシティに飲み込まれていく過程はリアルだ。中でも印象的なのが、劇中で内なる狂気を解放したかのように優雅に踊り狂うジョーカーの姿は、美しさすら感じるほど。体重を20キロ以上も落としてジョーカーを演じたホアキン・フェニックスは、ほぼ全てのシーンに登場して観客を魅了する。トーク番組のホストを演じる名優ロバート・デ・ニーロや、アーサーが恋心を抱く女性役のザジー・ビーツなど、脇を固めるキャスト陣の演技も圧倒的な存在感を示す。また、『タクシードライバー』『キング・オブ・コメディ』といった往年の名作映画へのオマージュも多く、映画ファンを唸らせる。ベネチア国際映画祭最高賞の金獅子賞を獲得するという快挙により、アカデミー賞の大本命としても狂気の道化師は本年度の賞レースを盛り上げてくれそうだ。(編集部・倉本拓弥)

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美しいパリの秋に描かれる、母娘の和解と大女優への賛歌

真実
Photo L. Champoussin (C) 2019 3B-分福-MI MOVIES-FRANCE 3 CINEMA

真実』(10月11日公開)

 日仏合作として製作された是枝裕和監督の最新作には、カトリーヌ・ドヌーヴジュリエット・ビノシュイーサン・ホークといった世界的大スターが集結。これまでも是枝監督が描き続けてきた“家族”をテーマに、母と娘の確執と和解がパリの美しい秋の情景とともに描かれる。物語の発端は、国民的女優ファビエンヌ(ドヌーヴ)が書いた自伝本「真実」。その出版祝いのため訪れた脚本家の娘(ビノシュ)は、そこに“真実”が書かれていないことに気づき、改めて母との長年の不和に向き合うことになる。そんななか、ずっと女優として生きることを最優先にしてきたファビエンヌは、劇中劇で娘役を演じたことで長らく抱えてきた確執を解くきっかけを見出していく。感動的なのは、自身の脆さを見つめ、娘とささやかな和解を遂げることになる瞬間が、女優である彼女にしかできない方法で訪れること。そして、その後に女優である自分を戻っていく母に仕掛ける、脚本家らしくユーモアたっぷりな娘の“仕返し”にも頬が緩む。そんな母娘の対決と和解の行く末に、フランスの2大女優の真骨頂が発揮されている。また、実人生と同じく大女優を演じたドヌーヴの姿には、是枝作品の常連であった故・樹木希林の姿も重なるようであり、本作が監督の捧げる大女優への賛歌であるともいえるだろう。語り口は軽やかに、パリの秋は美しい。(編集部・大内啓輔)

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もしビートルズが存在しない世界だったら?

イエスタデイ
(C) Universal Pictures

イエスタデイ』(10月11日公開)

 もしも自分以外がザ・ビートルズを知らない世界になってしまったら? というユニークな設定から展開するコメディードラマ。『トレインスポッティング』のダニー・ボイル監督と『ラブ・アクチュアリー』の脚本家リチャード・カーティスが初タッグを組んだ。劇中にはビートルズの名曲がちりばめられ、ビートルズ愛が詰まった本作は、ボイル監督も言うようにまさにビートルズへのラブレター。人気ミュージシャンのエド・シーランが本人役で出演していたりと、リアルとファンタジーが生む笑いが絶妙で、ロマコメの名手リチャード・カーティスらしく最高にロマンチック。ビートルズが存在しない世界で、ビートルズの楽曲を歌って注目される売れないシンガー・ソングライターの主人公を演じた新星ヒメーシュ・パテルの歌声も心地良く、最初から最後までハッピーな気持ちになれる。『ボヘミアン・ラプソディ』『ロケットマン』とはまた違うオリジナリティーあふれる音楽映画だ。(編集部・中山雄一朗)

「ヤリたい」が詰まった爆笑R18映画

108~海馬五郎の復讐と冒険~
(C) 2019「108~海馬五郎の復讐と冒険~」製作委員会

108~海馬五郎の復讐と冒険~』(10月25日公開)

 劇団「大人計画」を主宰する松尾スズキが監督・脚本を担当し、主人公の海馬五郎を演じている。元女優の妻・綾子の浮気をFacebookで知った脚本家の海馬は、その投稿に寄せられた108の「いいね!」と同じ数の女を抱くという復讐に身を投じていく。自身の監督・脚本で自らの魅力を十二分に引き出しており、ほぼ出ずっぱりの松尾はずっとピカイチ。ボソっとしたセリフで笑わせたかと思えば、急にミュージカルが始まるなど松尾がヤリたかったことが詰め込まれており、松尾スズキという鬼才のひとつの到達点を映画から感じる。松尾ならではのユーモアを支えるキャスト陣の熱量も高く、中でも映画の冒頭、中山美穂が演じた妻・綾子と海馬が浮気について話し合うシーンは圧巻。R18+指定の作品なだけに攻めた描写も多いが、だからこそ生み出せる生々しい笑いがたまらない。色々と表現が窮屈になっていく現代の日本に一石を投じる“無法映画”が爆笑をもたらす!(編集部・海江田宗)

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