年末年始映画特集2020~劇場洋画編~
年末年始は定番のヒーローアクション大作はもとより、観る者の涙を絞る珠玉のラブストーリーや人生賛歌、アート系作品にファンタジーにコメディーにドキュメンタリーと、ありとあらゆるジャンルの映画が目白押し。劇場公開される洋画の中から、話題作を厳選して紹介します。(文・平野敦子)
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『燃ゆる女の肖像』12月4日公開
監督・脚本:セリーヌ・シアマ
キャスト:ノエミ・メルラン、アデル・エネル
122分
18世紀のフランス・ブルターニュの孤島を背景に、貴族の娘と女性画家の鮮烈な愛をつづるラブストーリー。結婚適齢期の身分の高い女性と、彼女の肖像画を依頼された女性画家が、共に時間を過ごす内に恋に落ちる姿を回想する。『水の中のつぼみ』などのセリーヌ・シアマが監督を手掛け、『午後8時の訪問者』などのアデル・エネルと、『英雄は嘘がお好き』などのノエミ・メルランらが共演。恋に落ちる瞬間のドキドキ感と同様に、運命に翻弄される恋人たちの苦悩も繊細に描いた本作は、第72回カンヌ国際映画祭で脚本賞とクィアパルム賞を受賞。まるで一枚の美しい絵画のような、2人の燃えさかる愛の物語がガツンと胸に響く。
『魔女がいっぱい』12月4日公開
監督・脚本・製作:ロバート・ゼメキス
キャスト:アン・ハサウェイ、オクタヴィア・スペンサー
104分
『チャーリーとチョコレート工場』などの原作者、ロアルド・ダールの児童文学を実写化したファンタジー。美しくも恐ろしい魔女たちの計画を知った少年が、魔法でネズミの姿に変えられながらも魔女軍団に果敢に挑む。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズなどのロバート・ゼメキス監督がメガホンを取り、『プラダを着た悪魔』などのアン・ハサウェイが、邪悪な大魔女「グランド・ウィッチ」をチャーミングに演じ、製作には大物監督のギレルモ・デル・トロとアルフォンソ・キュアロンが名を連ねる。やりたい放題で、はちゃめちゃ感たっぷりの、愛すべきファンタジーの世界の住人たちに魅せられる。
『ノッティングヒルの洋菓子店』12月4日公開
監督・共同製作:エリザ・シュローダー
キャスト:セリア・イムリー、シャノン・タルベット
98分
ロンドンの人気デリ「オットレンギ」の全面協力のもと、ノッティングヒルにある洋菓子店を舞台に描く、心温まる人間ドラマ。イザベラはパティシエの親友サラと自分たちの店を開く予定だったものの、親友が事故で急死したため、サラの娘と母親を巻き込んでなんとか店のオープンまでこぎつけようとする。本作が初の長編作品となるエリザ・シュローダーが監督を務め、『チャーリーとチョコレート工場』などのシェリー・コン、『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズなどのセリア・イムリーらが共演。今にも甘い匂いがプーンと漂ってきそうな、見た目もキラキラ感たっぷりのスイーツを見ていると、ついよだれが出ちゃう。
『オール・マイ・ライフ』12月4日から12月10日まで期間限定
監督:マーク・マイヤーズ
キャスト:ジェシカ・ロース、ハリー・シャム・Jr
92分
実話を基に、婚約したばかりで余命半年と宣告された男性と婚約者が、紆余曲折を経て結婚式を挙げるまでを描くラブストーリー。家族や友人たちは、一度はあきらめたソルとジェンの結婚式をわずか2週間で実現するためにクラウドファンディングを立ち上げ、彼らの純愛が世界中から注目を集めた結果、2人は無事晴れの日を迎える。『サモン・ザ・ダークネス』などのマーク・マイヤーズが監督を手掛け、『ハッピー・デス・デイ』シリーズなどのジェシカ・ロースと、ドラマ「Glee」シリーズなどのハリー・シャム・Jrがカップルを演じている。互いを思いやりながら、かけがえのない毎日を大切に生きる2人の姿が涙を誘う。
『ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!』12月18日公開
監督:ディーン・パリソット
キャスト:キアヌ・リーヴス、アレックス・ウィンター
91分
キアヌ・リーヴスとアレックス・ウィンター主演の、伝説のコメディー『ビルとテッド』シリーズ29年ぶりとなる続編。すっかり落ちぶれたミュージシャンのビルとテッドが「世界を救う音楽」を完成させるため、モーツァルトやジミ・ヘンドリックスから死神まで、伝説のミュージシャンたちに召集をかけて史上最強のバンドを結成すべく時空間を飛び回る。『ギャラクシー・クエスト』のディーン・パリソット監督がメガホンを取り、サマラ・ウィーヴィングやブリジェット・ランディ=ペインらが共演。『ジョン・ウィック』シリーズなどのタフでクールなイメージとは180度異なる、キアヌのはじけっぷりに笑いが止まらない。
『また、あなたとブッククラブで』12月18日公開
監督・共同脚本・製作:ビル・ホールダーマン
キャスト:ダイアン・キートン、ジェーン・フォンダ
104分
ダイアン・キートン、ジェーン・フォンダ、キャンディス・バーゲン、メアリー・スティーンバージェンら名女優4人が共演する人生賛歌。本の感想を語り合う「ブッククラブ」を定期的に開いてはガス抜きをしてきた女性4人が、ある一冊の本との出会いをきっかけに、後半にさしかかった人生に彩りを添えていく。『オーシャンズ』シリーズなどのアンディ・ガルシア、ドラマ「特捜刑事マイアミ・バイス」などのドン・ジョンソン、『陽のあたる教室』などのリチャード・ドレイファス、『ポルターガイスト』などのクレイグ・T・ネルソンらが相手役を務める。死ぬまで現役であろうとする、パワフルでキュートな女性たちに元気をもらう。
『ワンダーウーマン 1984』12月18日公開
監督:パティ・ジェンキンス
キャスト:ガル・ガドット、クリス・パイン
『ワンダーウーマン』のガル・ガドットとパティ・ジェンキンス監督が、再びタッグを組んで放つアクション。1984年、強敵マックスが禁断の力を手にしたため、世界の平和と均衡のバランスが崩れ、滅亡寸前に陥った人類を救うため、スーパーパワーを持つ最強の戦士ワンダーウーマンが立ち上がる。前作に続きクリス・パインがヒロインの恋人を演じ、『キングスマン:ゴールデン・サークル』などのペドロ・パスカルらが共演。普段はスミソニアン博物館で考古学者として働くヒロイン・ダイアナが、真のヒーローだけが着用を許される、究極のゴールドアーマー姿で、全人類滅亡の危機にたった一人で立ち向かう姿は超クール!
『GOGO(ゴゴ) 94歳の小学生』12月25日公開
監督:パスカル・プリッソン
キャスト:プリシラ・ステナイ、チェプコエチ
84分
ケニアで94歳にして初めて小学校に通うことになった、助産師のプリシラ・ステナイさんを追った驚きのドキュメンタリー。6人のひ孫たちと一緒に小学校に入学した彼女が幼いクラスメートたちと仲良く机を並べ、寄宿舎で共に寝起きし、授業に真面目に取り組んでいく。『世界の果ての通学路』などのパスカル・プリッソン監督は、出演者たちと時間をかけて信頼関係を築き上げ、ケニアの美しい風景と共に彼女たちのリアルな日常を映し出す。幼いころに勉強を許されなかった、世界最高齢小学生のプリシラさんの姿を通して、貧困や慣習などを理由に未だアフリカに存在する教育問題を浮かび上がらせる内容に、目からウロコ。
『ソング・トゥ・ソング』12月25日公開
監督・脚本:テレンス・マリック
キャスト:ルーニー・マーラ、ライアン・ゴズリング
128分
『ツリー・オブ・ライフ』『天国の日々』などのテレンス・マリック監督がメガホンを取り、アメリカ屈指の音楽の街・テキサス州オースティンを舞台に描くラブストーリー。『ドラゴン・タトゥーの女』などのルーニー・マーラ、『ラ・ラ・ランド』などのライアン・ゴズリング、『スティーブ・ジョブズ』などのマイケル・ファスベンダー、『ポップスター』などのナタリー・ポートマンらが豪華共演し、それぞれ幸せを追い求める4人の男女の人生が交差する。アカデミー賞を3度受賞した経歴を持つ名カメラマン、エマニュエル・ルベツキの美しい映像を背景に浮かび上がる、愛と裏切りのドラマに引き込まれる。
『新感染半島 ファイナル・ステージ』1月1日公開
監督:ヨン・サンホ
キャスト:カン・ドンウォン、イ・ジョンヒョン
116分
韓国発のパニックホラー『新感染 ファイナル・エクスプレス』の4年後を描写した続編。生き残って香港に逃れていた元軍人が、あるミッションのために封鎖された半島に再び戻って怒涛のサバイバルを展開する。ヨン・サンホが監督を続投し、『ゴールデンスランバー』などのカン・ドンウォンが主演を務め、『生きる街』などのイ・ジョンヒョンや『それから』などのクォン・ヘヒョ、『ソウォン/願い』などのイ・レらが共演。アフター・パンデミックの無法地帯で、凶暴な感染者集団と狂気に囚われた軍団、生存者家族らが入り乱れる中で繰り広げられる、待ったなしのサバイバル・アクションに強烈なカウンターパンチを食らう。
『燃えよデブゴン/TOKYO MISSION』1月1日公開
監督:谷垣健治
キャスト:ドニー・イェン、テレサ・モウ
96分
『イップ・マン』シリーズなどのアクションスター、ドニー・イェンと、『るろうに剣心』シリーズなどのアクション監督を務めた谷垣健治がタッグを組んだアクションコメディー。かなりの肥満体だがズバ抜けた身体能力を持つ香港の刑事が日本を訪れ、巨大な陰謀に立ち向かう。香港からは『早熟 ~青い蕾(つぼみ)~』などのテレサ・モウや『カルマ2』などのニキ・チョウらが参加し、日本からは竹中直人や渡辺哲、お笑いコンビ「フォーリンラブ」のバービーらが出演する。スリムなイケメン刑事から、いきなり100キロを超える巨体に変身しながらも、大立ち回りを披露するドニー様のキレのあるアクションに拍手喝采!