年末年始映画特集2020~アニメ編~
年末年始の劇場公開アニメは、家族連れやカップルや友人同士で楽しめる作品はもちろん、感涙ものや壮大なスケールの冒険談、人気シリーズものや原作ものまで、クオリティーの高い作品が続々登場。老若男女誰が観ても納得の、さまざまなジャンルのアニメを厳選して紹介します!(文・平野敦子)
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『STAND BY ME ドラえもん 2』11月20日公開
藤子・F・不二雄原作の「ドラえもん」シリーズ初の3DCGアニメーションとして大ヒットを記録した、『STAND BY ME ドラえもん』の続編。原作コミックの一編である「おばあちゃんのおもいで」を基に、タイムマシンで過去に戻ったのび太と、今は亡き祖母との再会を描写する。前作に続き八木竜一が監督、山崎貴が脚本と共同監督を担当し、今回はまだ誰も目にしたことがない「のび太としずかの結婚式」を、オリジナルストーリーとして描き出す。前作同様大人になったのび太の声を妻夫木聡が担当し、おばあちゃんの声を『キネマの神様』などの宮本信子が担当。過去と現在と未来をつなぐ奇跡の物語にウルウル。
『君は彼方』11月27日公開
監督・脚本・原作・音響監督:瀬名快伸
声の出演:松本穂香、瀬戸利樹、土屋アンナ
95分
NHK連続テレビ小説「ひよっこ」などの松本穂香が、声優としてアニメーション作品の主演を初めて務める青春ファンタジー。東京・池袋を背景に、異世界に迷い込み、なんとか元の世界に戻ろうとする主人公の冒険と恋物語を映し出す。短編アニメ『奇魂侍』などの瀬名快伸が監督・原作・脚本を手掛け、『仮面ライダーエグゼイド』シリーズの瀬戸利樹が主人公の幼なじみの声を担当し、土屋アンナ、山寺宏一、竹中直人、夏木マリら豪華キャストがボイスキャストとして参加する。今まで何事にも本気になることがなかったヒロインが、突然ピンチに立たされ必死で「大切な忘れ物」を探す姿にエールを送りたくなる。
『劇場版 Fate / Grand Order -神聖円卓領域キャメロット- 前編Wandering; Agateram』12月5日公開
監督:末澤慧
声の出演:宮野真守、島崎信長、高橋李依
89分
ゲーム「Fate / Grand Order」の人気エピソード「第六特異点」を原作に描くアニメーションの前編。ゲームの全体構成を手掛ける、奈須きのこがオリジナルシナリオを担当し、西暦1273年、「円卓の騎士」「太陽王オジマンディアス」「山の民」の3勢力が争うエルサレムに到達した騎士ベディヴィエールが、獅子王の統治する聖都を目指す探索の旅路を描く。SIGNAL.MDとProduction I.Gがアニメーションを担い、『劇場版「フリクリ プログレ」』などの末澤慧が監督を務め、ボイスキャストを宮野真守、島崎信長、高橋李依、坂本真綾らが務める。物語の核心を突く、壮大なスケールの内容に驚嘆する。
『Away』12月11日公開
製作・監督・編集・音楽:ギンツ・ジルバロディス
81分
ラトビアのクリエイター、ギンツ・ジルバロディスが製作・監督・編集などを一人で手掛けて生み出した長編アニメーション。飛行機事故でたった一人助かった少年が、森で見つけた地図を頼りに、相棒の飛べない小鳥と共に「黒い影」から逃れてオートバイで島を駆け抜けて行く。セリフを排して主人公の冒険を描いた本作は、世界有数のアニメの祭典である、第43回アヌシー国際アニメーション映画祭でコントルシャン賞に輝くなど、世界各地の映画祭で高く評価された。美しく壮大な自然や動物たちの姿を中心に、少年の絶望や孤独と共に希望の光を描くロードムービーに心が洗われる。
『映画 えんとつ町のプペル』12月25日公開
お笑いコンビ・キングコングの西野亮廣が手掛けた絵本、「えんとつ町のプペル」を基に描く劇場版アニメーション。煙に覆われた町を背景に、えんとつ掃除人の少年と、ゴミから生まれたゴミ人間の大冒険を映し出す。廣田裕介が監督を手掛け、西野は製作総指揮と脚本を担当し、『鉄コン筋クリート』『海獣の子供』などのSTUDIO4℃がアニメーション制作を担当する。ボイスキャストには窪田正孝、芦田愛菜、立川志の輔、小池栄子らそうそうたるメンバーが名を連ね、決して夢をあきらめない少年の真っ直ぐな生き方を描写する。絵本では描かれなかった、えんとつ町の「本当の物語」に心が踊る。
『FUNAN フナン』12月25日公開
監督:ドゥニ・ドー
声の出演:ベレニス・ベジョ、ルイ・ガレル
87分
クメール・ルージュ支配下のカンボジアを舞台に、過酷な強制労働を題材に描くアニメーション。一家で地方に送られた母親が、その途中で生き別れになった息子との再会を誓い、過酷な労働や理不尽な扱いにも耐えてなんとか生き延びようとする。監督をフランス生まれでカンボジアにルーツを持つドゥニ・ドーが手掛け、主人公のボイスキャストを『アーティスト』などのベレニス・ベジョ、夫を『灼熱の肌』などのルイ・ガレルが担当する。本作は第42回アヌシー国際アニメーション映画祭長編コンペティション部門グランプリであるクリスタル賞を受賞。ドー監督の母親の実体験を基にした家族の物語に胸が熱くなる。
『劇場版ポケットモンスター ココ』12月25日公開
監督・脚本:矢嶋哲生
声の出演:松本梨香、大谷育江、上白石萌歌
100分
ポケモン映画シリーズの第23作目となる、人間とポケモンの新たな形の絆を描くアニメーション。ジャングルの奥深くにあるポケモンたちの楽園で、サトシとピカチュウがポケモンに育てられた少年ココと出会い友達になる。アニメ「ポケットモンスター XY」シリーズなどの矢嶋哲生が監督を担当し、松本梨香、大谷育江、林原めぐみ、三木眞一郎らシリーズおなじみの声優陣がボイスキャストとして参加するほか、上白石萌歌と中村勘九郎が、少年ココとその育ての親である幻のポケモン・ザルードの声を担当する。自身のアイデンティティーに揺れる少年ココの成長と、親子の愛と絆をつづる物語に感動がこみ上げる。
『ジョゼと虎と魚たち』12月25日公開
監督:タムラコータロー
声の出演:中川大志、清原果耶
98分
2003年に妻夫木聡と池脇千鶴の主演で実写映画化された、田辺聖子の青春恋愛小説を劇場アニメ化。幼いころから車いす生活をしてきたジョゼが大学生の恒夫と出会い、外の世界に飛び出して行く。アニメ「ノラガミ」シリーズなどのタムラコータローが監督を務め、脚本を『ストロボ・エッジ』などの桑村さや香が担当し、『夏への扉 -キミのいる未来へ-』などの清原果耶と、『砕け散るところを見せてあげる』などの中川大志が、主人公のジョゼと恒夫のボイスキャストを務める。口が悪くて世の中を冷めた目で見ていたジョゼが、愛を知ると同時に痛みも知り、少しずつ新しい扉を開いていく姿に共感を覚える。
『銀魂 THE FINAL』1月8日公開
監督・脚本:宮脇千鶴
声の出演:杉田智和、阪口大助、釘宮理恵
空知英秋原作のコミックを基に描く劇場版アニメの第3弾。原作者の空知英秋の全面協力のもと、原作のラストをベースに、最大の敵・虚(うつろ)との最終決戦をシリーズ最大級の笑いと涙で活写する。迫り来る地球滅亡のカウントダウンの中、銀時たちの前にかつての師匠・吉田松陽とは全く別の人格である虚(うつろ)が立ちはだかり、新八や神楽、真選組やかぶき町の面々、かつてのライバルたちも戦いに身を投じる。宮脇千鶴が監督と脚本を手掛け、『劇場版銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ』などの藤田陽一が監修を担当。シリーズ最終編にふさわしい、ド派手な打ち上げ花火のような内容に大興奮!
『劇場版「美少女戦士セーラームーン Eternal」《前編》』1月8日公開
漫画・アニメ史に残る名作アニメ「美少女戦士セーラームーン」の25年ぶりとなる新作映画で、ちびうさとエリオス(ペガサス)の淡い初恋を描いた原作の「デッド・ムーン」編を2部作で映画化した前編。戦士として、そしてひとりの人間として、悩んだり迷ったりしながら成長していくセーラー戦士たちの姿に迫る。原作者の武内直子が総監修を担当し、90年代のアニメシリーズでもデザインと作画監督を務めた只野和子がキャラクターデザインを手掛け。「鬼滅の刃」伊之助役で知られる松岡禎丞がエリオスの声を担当するほか、渡辺直美と菜々緒がゲスト声優として参加する。今世紀最大の皆既日食の日を背景に、「夢」と「使命」の間で揺れる美少女戦士たちの壮大な物語に引きこまれる。