年末年始映画特集2020~配信オリジナル&独占編~
スタッフやキャストがますます豪華になっているインターネット配信作品。年末年始に配信が開始される新作には、デヴィッド・フィンチャーやジョージ・クルーニー、メリル・ストリープなどのビッグネームが登場し、もうすぐやって来る賞レースを賑わせそうな作品がズラリ。おうちでゆっくり、じっくり観られる配信オリジナル&独占作品を厳選して紹介します!(文・岩永めぐみ)
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『Mank/マンク』
監督:デヴィッド・フィンチャー
キャスト:ゲイリー・オールドマン、アマンダ・セイフライド
132分
不朽の名作『市民ケーン』の誕生秘話を、『ソーシャル・ネットワーク』などのデヴィッド・フィンチャーが描いた壮大なドラマ。主人公は、脚本家のマンクことハーマン・J・マンキウィッツ。アルコール中毒を抱えながら脚本執筆に追われるマンクの様子と、1930年代のハリウッドの舞台裏や『市民ケーン』の登場人物のモデルとなった人物の回想を交錯させながら描くストーリーテリングなど、『市民ケーン』を思わせる演出が随所に登場。マンク役は『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』などのゲイリー・オールドマン。多くの敵を作りながらもあらゆる人の心をとらえ、脚本家としてのプライドを貫いたマンクにふんした、ゲイリーの熱演に引き込まれる。
Netflix映画『Mank/マンク』12月4日より独占配信中
『ザ・プロム』
監督:ライアン・マーフィー
キャスト:メリル・ストリープ、ニコール・キッドマン
131分
トニー賞にノミネートされたブロードウェイミュージカルを映画化。落ち目の舞台俳優たちが、プロムに行きたいと願う同性カップルをキャリア挽回に利用しようと企むが、いつしか彼らの人生に大きな変化が訪れる。ひと癖もふた癖もある舞台俳優を演じるのは、『マンマ・ミーア!』などのメリル・ストリープやテレビ番組司会者で『キャッツ』などに出演するジェームズ・コーデン、『ムーラン・ルージュ』などのニコール・キッドマン、舞台を中心に活躍するアンドリュー・ラネルズといった人気スターたち。監督はドラマ「Glee」シリーズを手掛けたライアン・マーフィー。きらびやかなミュージカルや感動的なストーリーが、凍えた体と心を温めてくれる。
12月4日より一部劇場にて公開
Netflix映画『ザ・プロム』12月11日より独占配信中
『マ・レイニーのブラックボトム』
監督:ジョージ・C・ウルフ
キャスト:ヴィオラ・デイヴィス、チャドウィック・ボーズマン
94分
1920年代のシカゴを舞台に、ブルースの母と呼ばれた歌手マ・レイニーとバンドメンバーたちの葛藤を通して、ブルースの魅力や偏見に屈しないアーティストたちの勇気を描いたドラマ。『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』などのヴィオラ・デイヴィス演じるマ・レイニーの迫力ある歌声は、圧巻のひとこと。共演は2020年8月に早逝した『ブラックパンサー』などのチャドウィック・ボーズマンで、本作は彼の遺作であり、野心に燃えるトランペッターを悲壮感たっぷりに演じる。さらには、著名なサクソフォーン奏者のブランフォード・マルサリスが手掛けた哀愁漂う音楽にも魅了される。
Netflix映画『マ・レイニーのブラックボトム』12月18日より独占配信開始
『ミッドナイト・スカイ』
監督・製作:ジョージ・クルーニー
キャスト:ジョージ・クルーニー、フェリシティ・ジョーンズ
122分
『グッドナイト&グッドラック』などで監督としての実績もあるジョージ・クルーニーが、小説「世界の終わりの天文台」を監督兼主演で映画化したSFドラマ。地球で大惨事が発生。北極の天文台にいる孤独な科学者が、航行中の宇宙飛行士に地球に帰還できなくなっている状況を伝えようと力を尽くす。その一方、地球との交信が途絶えた宇宙飛行士も連絡をとろうと奮闘する。クルーニーが科学者を演じ、宇宙飛行士役に『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』などのフェリシティ・ジョーンズやデヴィッド・オイェロウォ、カイル・チャンドラーなどがふんする。互いに極限にいる科学者と宇宙飛行士はつながることができるのか、希望は訪れるのか、最後まで目が離せない。
12月11日より一部劇場にて公開
Netflix映画『ミッドナイト・スカイ』12月23日より独占配信開始
『アイム・ユア・ウーマン』
監督:ジュリア・ハート
キャスト:レイチェル・ブロズナハン、アリンゼ・ケニ
1970年代を舞台にしたスリリングなクライムドラマ。窃盗犯の夫が仲間を裏切ったことから、若い主婦が幼い子どもを連れて追われる身となるものの、一転、裏社会への反撃を決意する。監督である『マイ・ビューティフル・デイズ』などのジュリア・ハートは、男性を中心に描かれた作品がほとんどだった1970年代のクライムドラマを、ヒロインをメインに描きたいという思いから本作を撮り上げた。美しくて強いヒロインを演じるのは、ドラマ「マーベラス・ミセス・メイゼル」シリーズなどのレイチェル・ブロズナハン。緊迫感あふれる逃走劇やアクションが臨場感たっぷりで楽しめるほか、純粋無垢な赤ちゃんの存在にも注目。
Amazon Prime Videoにて12月11日より独占配信中
『ウルフウォーカー』
監督・製作:トム・ムーア
声の出演:オナー・ニーフシー、エヴァ・ウィテカー
103分
『ブレンダンとケルズの秘密』『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』に続くケルト3部作の最後を飾るアドベンチャーアニメ。ハンターを父に持つ少女が人間とオオカミがひとつの体に共存するウルフウォーカーの少女と出会い、行方不明になったウルフウォーカーの母親を救おうとする物語。人間と生き物との共存や信じることをやり抜くことの大切さが描かれ、あらためて環境問題について考えさせられる面も。制作はアイルランドを拠点にさまざまな作品を送り出しているカートゥーン・サルーン。緑豊かな自然や個性的なキャラクターに見られる手描きアニメーションの素朴な世界観や、オオカミの視界を表現したダイナミックな動きに目を奪われる。
『ソウルフル・ワールド』
監督:ピート・ドクター
声の出演:ジェイミー・フォックス、ティナ・フェイ
『モンスターズ・インク』や『カールじいさんの空飛ぶ家』などのピート・ドクター監督が手掛けた、ディズニー&ピクサーによる感動的なファンタジーアニメ。舞台は、人間として生まれる前のソウル(魂)たちが暮らす「ソウルの世界」。そこは、ソウルたちが夢や情熱、興味など人生のきらめきを見つけ、人間の世界に生まれるまでを過ごす場所。そこへ、ミュージシャンになる夢を持つ音楽教師が迷い込み、何百年も人生のきらめきを見つけられないでいるひとりのソウルと出会う。そんな正反対の2人の冒険から、人生を輝かせより充実させる「夢」の素晴らしさに今一度気付かされる。
Disney+ (ディズニープラス)にて12月25日より独占配信開始
『フェアリー・ゴッドマザー』
監督:シャロン・マグアイア
キャスト:アイラ・フィッシャー、ジリアン・ベル
110分
『ブリジット・ジョーンズの日記』などのシャロン・マグアイア監督がメガホンを取った、年末のホリデーシーズンにぴったりのコメディードラマ。おとぎの世界に住む見習い妖精のエレノアは、人々がおとぎ話を信じなくなったことで魔法の世界が窮地に立たされていると知る。そこで、数年前に夫を亡くして以来、幸せはいつまでも続かないと諦めていたマッケンジーに、再び人生の素晴らしさに気付かせ、おとぎ話を信じる気持ちを取り戻させようと奮闘する。出演は『ブリタニー・ランズ・ア・マラソン』のジリアン・ベルと『お買いもの中毒な私! 』のアイラ・フィッシャー。ジリアン演じる妖精は、いわゆる可憐な妖精のイメージとは異なるものの、浮世離れしていて笑える仕上がりに。現実世界に現れた妖精という設定が、現代のおとぎ話として夢を見させてくれる。
Disney+ (ディズニープラス)にて12月11日より独占配信中
「サード・デイ ~祝祭の孤島~」
監督:マーク・ミュンデン、フィリッパ・ロウソープ
キャスト:ジュード・ロウ、ナオミ・ハリス
全6話
ロンドンからおよそ80キロの地にある、伝統と文化を守る島を舞台にした全6話のミステリー。3話ずつの二部構成で、「夏」「冬」に分かれた物語が展開。干潮の間の4時間しか本土と行き来のできないその島で、トラウマが蘇ったことにより追い詰められていく男性と、予約していた宿に宿泊を拒否されても島を離れようとしない女性が登場する。製作はブラッド・ピットが設立したプラン・B・エンターテインメントで、「夏」と「冬」ではスタッフとキャストが異なり、それぞれ『ファンタスティック・ビースト』シリーズなどのジュード・ローと『007』シリーズなどのナオミ・ハリスが出演。逃げ場のない島、不気味な伝統といった、究極のシチュエーションが恐怖心を駆り立てる。
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