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年末年始映画特集2021~劇場邦画編~

 仕事も学校もお休みになってゆっくりできる年末年始は、劇場に行くチャンス。大ヒットテレビドラマの満を持しての劇場版や、心に響く切ない佳作、人気俳優たちが大暴れするにぎやかな作品など、よりどりみどりです。(文・早川あゆみ)

>>劇場洋画編
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『彼女が好きなものは』12月3日公開

監督・脚本:草野翔吾
キャスト:神尾楓珠山田杏奈
121分

 ゲイであることを隠して生きる高校生・純と、BL(ボーイズラブ)をファンタジーとして楽しむ女子高生・紗枝が、「好き」という思いや人生の生きづらさに直面し、葛藤する姿を丁寧に描いた青春映画。浅原ナオトの小説「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」の映画化。妻子ある同性の恋人・誠と付き合いながらも“普通”を諦められない純は、紗枝に告白されて付き合うことになるが……。ドラマ「顔だけ先生」の好演も記憶に新しい神尾楓珠の、危いほど繊細な心に響く演技が美しい。紗枝役の山田杏奈のしなやかさ、誠を演じた今井翼の包容力も相まって、“多様性”だけでは語れない“普通”や“幸せ”の意味を改めて考えさせられる。

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『189(イチハチキュウ)』12月3日公開

監督:加門幾生
キャスト:中山優馬夏菜
109分

 タイトルの「189」とは、児童相談所虐待対応ダイヤルの番号。虐待を受けた小さな命を救うために奔走する新米児童福祉司・坂本大河を主人公にしたヒューマンドラマで、『ホーンテッド・キャンパス』などの中山優馬がシリアスで熱い演技を見せる。彼に協力する弁護士・秋庭役に『夏への扉 -キミのいる未来へ-』などの夏菜。ほか、吉沢悠前川泰之ら実力派がリアルな演技を披露している。虐待を疑われる子どもが親元に帰した直後に死亡したり、子ども自らが虐待ではないと否定したりする中で、親権停止などの措置で子どもを救おうと奮闘する大河の苦悩や戸惑いは胸に迫る。実際の事件をモチーフにした社会派な物語だけに、目をそむけたくなる描写や展開も多いが、それを超える奥深いメッセージがあふれている。

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『あなたの番です 劇場版』12月10日公開

あなたの番です 劇場版
『あなたの番です 劇場版』より - (C) 2021『あなたの番です 劇場版』製作委員会

監督:佐久間紀佳
キャスト:原田知世田中圭
142分

 2019年にテレビ放送され、ミステリードラマをSNSなどで考察しながら楽しむという新たなムーブメントを巻き起こし、日本中を席巻した連続ドラマの劇場版。ドラマから引き続き、企画・原案が秋元康、原田知世と田中圭がダブル主演ながらも、「もしも交換殺人ゲームがはじまらなかったら?」というパラレルワールドの物語。海上のクルーズ船を舞台に新たな連続殺人が繰り広げられる。横浜流星西野七瀬らキーパーソンはもちろん、怪演が話題になった奈緒山田真歩らレギュラーキャストも総出演。新たに門脇麦酒向芳が謎に満ちた「あな番」キャラクターに加わった。ドラマをしのぐほどのケレン味たっぷりの怒濤の展開に、ドラマとは違う新しい結末で、ハラハラドキドキが満喫できる。

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『偶然と想像』12月17日公開

監督・脚本:濱口竜介
キャスト:古川琴音中島歩
121分

 『ドライブ・マイ・カー』が大きな注目を浴びた濱口竜介監督の短編オムニバス映画で、第71回ベルリン国際映画祭にて銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞した。親友の思い人が元カレだったモデルの女性、落第させられた教授に復讐しようと女子学生をけしかける大学生、20年ぶりに高校時代の親友と再会するも現在の境遇の違いに徐々にすれ違っていく女性。偶然のきっかけが想像もできなかった出来事に発展、人生を大きく揺り動かすことになる驚きと戸惑いが描かれるヒューマンドラマだ。古川琴音、中島歩、渋川清彦ら実力派俳優陣の芝居がリアル。どのキャラクターも一生懸命に生きてはいるが、それがゆえにどこか滑稽にも見える軽やかさに魅了される。

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『私はいったい、何と闘っているのか』12月17日公開

監督:李闘士男
キャスト:安田顕小池栄子
114分

 職場でも家庭でも空回りばかり、でもどこか憎めない愛すべき中年男の奮闘と妄想を描いたハートフル(?)コメディー。巧妙かつ軽妙な芝居で幅広い役柄を演じる安田顕が主人公の春男役で、岡田結実ファーストサマーウイカSWAY(劇団EXILE)、伊集院光ら個性派キャストが名を連ねるが、中でも過去を抱えた妻役の小池栄子の芝居が味わい深い。原作は芸人・俳優・作家として活動するつぶやきシロー。『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』の李闘士男監督が再び安田とタッグを組んだ。職場で昇進し損ねてふてくされたり、娘の彼氏にいいところを見せようと見栄を張ってみたりと、春男のいじましさは哀れなほど笑えるが、だからこそ彼のがんばりには胸を打たれる。

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『99.9-刑事専門弁護士- THE MOVIE』12月30日公開

監督:木村ひさし
キャスト:松本潤香川照之杉咲花
119分

 2016年、2018年にテレビ放送されて熱烈な支持をうけた同名ドラマの初の劇場版。99.9%逆転不可能といわれる刑事事件に挑む刑事専門弁護士たちが、15年前の凶悪事件の“事実”を求めて奔走する。周囲を翻弄しまくる型破りな主人公・深山を演じるのは松本潤。彼に手を焼く先輩弁護士役の香川照之ら、個性派レギュラー陣は続投し、新ヒロインに杉咲花。ドラマ版ヒロインの榮倉奈々木村文乃も参戦する。『劇場版 きのう何食べた?』など八面六臂の活躍を見せる西島秀俊と、『461個のおべんとう』の道枝駿佑がカギを握るキャラクターとしてゲスト出演。芸達者な俳優たちのコミカルな掛け合いと小ネタに笑いながらも、深山まさかの敗北!? という衝撃展開から目が離せない。

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『明け方の若者たち』12月31日公開

監督:松本花奈
キャスト:北村匠海黒島結菜
116分

 Twitterで話題を集めたカツセマサヒコのデビュー作を、映画祭などで高い評価を得ている若手監督・松本花奈が映画化した恋愛ストーリー。飲み会で出会った「彼女」に一瞬で恋をした大学生の「僕」が、終わりがあることがわかっている恋に落ち、幸せを享受しながらも葛藤する姿を描く。「僕」役は『東京リベンジャーズ』など出演作が絶えない北村匠海、運命の「彼女」を演じるのは『十二人の死にたい子どもたち』などの黒島結菜。理想と現実の差に打ちのめされ、陰りのある感情を持て余すほろ苦い青春が心に響く。主題歌は、原作から大好きだったというポップスロックバンド・マカロニえんぴつの「ハッピーエンドへの期待は」で、物語に深みと奥行きを与えている。

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『映画演劇 サクセス荘 ~侵略者Sと西荻窪の奇跡~』12月31日公開

監督・脚本:川尻恵太
キャスト:和田雅成高橋健介
95分

 主に2.5次元舞台などで活躍する人気若手男性俳優たちが、本番一発勝負での撮影に挑戦するテレビドラマシリーズ「テレビ演劇 サクセス荘」の劇場版。芸人、漫画家、占い師、料理人などを夢見る若者たちが住み、いつか必ず夢を叶えて巣立って行くという伝説のアパート「サクセス荘」に、ある日、隣のマンションのセレブ集団「S4」が立ち退きを要求してきた! 映画ももちろん95分(!)の一発撮り。和田雅成、高橋健介、高野洸高木俊(「高」は「はしごたか」)、黒羽麻璃央といった連ドラ過去3期のキャストたちは総出演し、さらに「S4」として佐藤流司北園涼橋本祥平北村諒が参戦。26台のカメラがとらえた俳優陣のリアルなリアクションや垣間見える素の表情など、勢いのある熱い魅力にドキドキが止まらない!

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『弟とアンドロイドと僕』1月7日公開

監督・脚本:阪本順治
キャスト:豊川悦司安藤政信
94分

 『半世界』など独自の世界を展開するベテラン阪本順治監督が「これを撮らなければ自分は先に進めない」という覚悟で取り組んだ、究極の孤独を描くオリジナル脚本の人間ドラマ。自分が存在していることの実感を抱けない孤独なロボット工学者・桐生は、「もう一人の“僕”」として自分そっくりのアンドロイドの開発に没頭している。突然あらわれた異母の弟、寝たきりの父親、桐生と同じく存在意義を見出せない少女……。さまざまな思惑と謎が交錯する中で不思議な佇まいを見せる桐生役は、監督が脚本執筆時からイメージしていたという豊川悦司。エッジの利いた安藤政信がワケありの弟を演じた。スリラー色の強い物語で、沼のように引き込まれていく感覚にヒリヒリする。

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『決戦は日曜日』1月7日公開

監督・脚本:坂下雄一郎
キャスト:窪田正孝宮沢りえ
105分

 何事にもそつがないが熱意もない中堅秘書・谷村と、世間知らずで自由奔放なド素人二世候補・有美が、選挙の“落選”を目指して大奮闘!? 政治をシニカルかつコミカルに描く社会派コメディーだ。サポートしていた地方議員が病に倒れてしまい、地盤を継いだ有美の謎の熱意に翻弄されながらも、谷村はあたりまえの選挙活動を展開していくが……。谷村役は『劇場版ラジエーションハウス』が控える窪田正孝、有美は『人間失格 太宰治と3人の女たち』の宮沢りえが演じ、初共演ながらもお互いをリスペクトしあっており、息の合ったところを見せる。また、『チェリまほ THE MOVIE ~30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい~』が控える赤楚衛二らが演じる脱力系秘書軍団も物語のいいスパイスに。楽しく笑えるのだが、現実を考えたら笑えない、かも!?

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