年末年始映画特集2021~アニメ編~
老若男女が心待ちにする年末年始の映画は、今年は劇場公開アニメもさることながら、特撮ものも熱い! 感動作やコメディー、記念すべき人気シリーズものや原作ものまで、あらゆるジャンルの良質な作品が目白押し。どれを観ても後悔なしのアニメの紹介だけでなく、特撮界のレジェンド作品なども一気にご紹介します。(文・平野敦子)
『フラ・フラダンス』12月3日公開
総監督:水島精二
監督:綿田慎也
声の出演:福原遥、美山加恋
108分
福島県いわき市の「東北のハワイ」こと「スパリゾートハワイアンズ」のダンシングチーム、通称「フラガール」の新人ダンサーたちが織り成す青春ドラマ。社会人として新たな一歩を踏み出すと同時に、フラガールへの道を模索するメンバーたちの友情と成長を、笑いと涙を交えて描き出す。主人公・日羽にはオリジナルアニメ映画初主演となる福原遥、そのほか美山加恋、早見沙織、相沢梨紗、山田裕貴、ディーン・フジオカらがボイスキャストとして参加する。総監督を『鋼の錬金術師』シリーズの水島精二、監督を『アイカツスターズ!』シリーズの綿田慎也、脚本を『けいおん』シリーズの吉田玲子が担当。フラガールたちの1年間の奮闘物語に顔がほころぶこと必至。
『ARIA The BENEDIZIONE』12月3日公開
総監督・脚本:佐藤順一
監督:名取孝浩
声の出演:斎藤千和、皆川純子
59分
天野こずえのコミック「ARIA」(水の星・アクアで観光水先案内人・ウンディーネを目指す少女たちの成長物語)を基にしたテレビアニメの放送開始15周年記念作品の前作『ARIA The CREPUSCOLO』に続き、「蒼のカーテンコール」と呼ばれる劇場版シリーズ3部作の最終章。シリーズに登場する水先案内店のひとつ「姫屋」が受け継ぐ1艘のゴンドラをめぐる物語を通して、姫屋の過去、現在、未来の軌跡を映し出す。総監督と脚本を手掛けるのは、前作同様佐藤順一と名取孝浩。ボイスキャストには斎藤千和、皆川純子、中原麻衣らが参加する。姫屋の跡取り娘・藍華と、姫屋所属のプリマ・ウンディーネの晃との絆、そして未来につながる感動の物語。
『グレッグのダメ日記』12月3日ディズニープラスにて配信
監督:スウィントン・スコット
声の出演:ブレイディ・ヌーン、イーサン・ウィリアム・チルドレス
日本語吹き替え:櫻井優輝、山崎智史
58分
原作者のジェフ・キニーが脚本と製作を手掛け、さえない少年グレッグの中学生活を描く3DCG長編アニメーション。主人公グレッグは中学校に通うことになり、学校内でのさまざまな「暗黙のルール」に縛られながらも、何とか毎日を生き抜こうと奮闘する。ドラマシリーズ「飛べないアヒル -ゲームチェンジャー-」のブレイディ・ヌーンが主人公グレッグのボイスキャストを務め、人気テレビアニメ「フューチュラマ」にも参加しているスウィントン・スコットが監督を担当する。思春期に差し掛かる中学生ならではの出来事をつづった日記のエピソードに笑うとともに、人生でかけがえのないことを学んでいく主人公たちの青春にほっこりする。
『さよなら、ティラノ』12月10日公開
宮西達也原作のティラノサウルスシリーズの絵本「ずっとずっといっしょだよ」などを基に、日本、中国、韓国合作で製作。肉食ではなく、暗闇が怖いティラノサウルス、心優しいプテラノドンの女の子、母親とはぐれたトリケラトプスの子供が、共に天国を目指す旅に出る。劇場版『名探偵コナン』シリーズの静野孔文が監督を手掛け、アニメーション制作を手塚プロダクション、音楽を坂本龍一が担当する。三木眞一郎、石原夏織、悠木碧、小西克幸らがボイスキャストとして参加。体格の大小もさることながら、愛くるしいものから凶暴なものまで、それぞれ個性的な恐竜たちが織りなす物語に引き込まれる。
『ボス・ベイビー ファミリー・ミッション』12月17日公開
監督:トム・マクグラス
声の出演:アレック・ボールドウィン、ジェームズ・マースデン
日本語吹き替え:ムロツヨシ、多部未華子
107分
見た目は赤ちゃんだが、中身は“おっさん”の主人公が巻き起こす騒動を描くアニメ『ボス・ベイビー』の続編。あれから25年、エリートビジネスマンになったボス・ベイビーと専業主夫の兄は疎遠になっていたが、ベイビー社からやってきたボス・レディの指令で、再び赤ちゃんに戻り、二人で協力して世界を救うためのミッションに挑む。前作や『マダガスカル』シリーズのトム・マクグラスが監督を務め、ボス・ベイビーの声は前作に引き続き『恋するベーカリー』のアレック・ボールドウィンが担当し、日本語吹き替えを俳優のムロツヨシが務めている。前作よりさらにパワーアップしたボス・ベイビーのハチャメチャな活躍ぶりにテンション上がりまくり。
『劇場版 呪術廻戦 0』12月24日公開
芥見下々の大ヒットコミックを原作にしたテレビアニメ「呪術廻戦」の前日譚「呪術廻戦 0 東京都立呪術高等専門学校」(通称“0巻”)を映画化。かつて幼なじみの祈本里香を交通事故で亡くした高校生の乙骨憂太が彼女の呪いに苦しみ、最強の呪術師のもとで呪いを学ぼうと奮闘する。主人公の乙骨のボイスキャストを『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の緒方恵美、乙骨の幼なじみをアニメ「はたらく細胞」の花澤香菜が担当し、制作をMAPPA、主題歌を King Gnu が手掛ける。人間の負の感情から誕生する呪いと、それを呪術ではらう呪術師との激しいバトルはもとより、トラウマを抱えた主人公のふんばりは強烈なインパクトだ。
『BanG Dream! ぽっぴん’どりーむ!』2022年1月1日公開
総監督:柿本広大
監督:植高正典
声の出演:愛美、大塚紗英
71分
ガールズバンドを主人公にしたメディアミックスプロジェクトのひとつである、テレビアニメシリーズ「BanG Dream! 3rd Season」のその後を描く。武道館でのライブを大成功に導いたPoppin'Partyのメンバーたちに、なんと海外進出のオファーが舞い込む。ボイスキャストを愛美、大塚紗英、西本りみ、大橋彩香、伊藤彩沙らが務め、総監督をアニメシリーズに続いて柿本広大、監督をアニメ映画『009 RE:CYBORG』でリードアニメーターを務めた植高正典が担当し、アニメーション制作をサンジゲンが手掛けている。国内だけにとどまらず、世界に向けて羽ばたいていくPoppin'Partyのメンバーたちの活躍は止まらない!
『魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸 -再会-』2022年1月7日公開
サンライズの制作によるWebアニメ「魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸」の劇場版。主人公の戦部ワタルが、自分を守るために戦いでバラバラになってしまった魔神の龍神丸を救うため、新たな冒険へと旅立つ。監督を『リョーマ! The Prince of Tennis 新生劇場版テニスの王子様』の神志那弘志が務め、ボイスキャストをテレビシリーズから引き続き田中真弓、林原めぐみ、伊倉一恵らが担当する。主人公のワタルと仲間たちが再集結し、ワタルのかけがえのない相棒である魔神の龍神丸の完全復活を目指して奮闘する姿と、彼らの固い絆に勇気づけられる。
特撮編:『仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ』 12月17日公開
仮面ライダー生誕50周年記念作品「仮面ライダーリバイス」を中心に、歴代のライダーたちが集結して戦いに挑む仮面ライダー50周年記念映画。2071年から仮面ライダーセンチュリー、1971年からショッカーの研究者が2021年に突如現れ、時空が異なる3つの時代を舞台に、壮大な物語が展開する。監督は「仮面ライダークウガ」から本シリーズの多くに携わってきた柴崎貴行が手掛け、「仮面ライダーリバイス」シリーズの前田拳太郎や「仮面ライダーセイバー」シリーズの内藤秀一郎をはじめ、劇場版キャストとして古田新太や中尾明慶らが出演する。リバイス、セイバーのほか、仮面ライダースーパー1、仮面ライダーZOらが続々と登場する中、ついに明らかになる仮面ライダー最大の秘密に衝撃を受ける。
特撮編:『日本語劇場版『サンダーバード55 / GOGO』』2022年1月7日公開
監督:スティーヴン・ラ・リヴィエール、ジャスティン・T・リー、デヴィッド・エリオット
構成担当:樋口真嗣
声の出演:満島ひかり、井上和彦
91分
特撮人形劇のテレビシリーズ「サンダーバード」の日本放送開始55周年を記念して制作された3本のエピソードを、『シン・ウルトラマン』の公開が控える樋口真嗣監督が1本の作品として構成した日本語劇場版。キャラクターのレディ・ペネロープを中心にした作品で、国際救助隊の誕生を描く「サンダーバード登場」をはじめ「雪男の恐怖」「大豪邸、襲撃」から構成される。日本版のボイスキャストを女優の満島ひかりをはじめ、井上和彦、大塚芳忠、森川智之らが担当する。スーパーマリオネーションと呼ばれる独自の撮影手法による特撮人形劇のファンは日本にも多く、オリジナルへのオマージュ作品としてよみがえった、新たなる「サンダーバード」にワクワク!