コモンウェルスと戦う“別のやり方”が見えてきた!懐かしいあのキャラも登場
今週のウォーキング・デッド
最終話まで残すところあと2話となったシーズン11第22話「フェイス」には、久々のあのキャラたちが再登場! いろんな出来事が起きて、このシーズンがどんな物語になるのかが見えてくる。(文・平沢薫)
※ご注意 この記事は「ウォーキング・デッド」シーズン11についてのネタバレが含まれる内容となります。視聴後にお読みいただくことをおすすめします。
今週のウォーキング・デッド~シーズン11第 22話「フェイス」
この最終シーズンは、主人公たちがこれまでのシリーズとは“別のやり方”をすることになる。それが今回の第22話「フェイス」ではっきり見えてきた。これまで主人公たちは、自分たちの生存を脅かす敵に出会うと、そのリーダーを倒して、その集団を解体させてきた。しかし、今回はそういう方法は使わないようだ。
というのも、このシーズンの敵コモンウェルスは、人口5万人の巨大コミュニティー。これまでの敵とは、規模が違う。リーダーを倒したところで、この集団全体は変わらないのではないかと思われた。が、今回、主人公たちは“別のやり方”をする。それは、リーダーではなく、権力から遠いところにいる人々に働きかけるという方法だ。
最もわかりやすいのが、ユージーン(ジョシュ・マクダーミット)の公開裁判。彼の弁護士となったユミコ(エレノア・マツウラ)は、裁判長が知事の味方であることを踏まえて、裁判長ではなく、裁判を見に来ている市民たちに聞かせるために、弁舌をふるう。それを理解したユージーンも、裁判長ではなく、市民たちに向かって主張を語る。そうやって市民たちの意識を変えていく。
今いる場所は違うが、ニーガン(ジェフリー・ディーン・モーガン)とエゼキエル(カリー・ペイトン)のやり方も同じだ。彼らは、コミュニティーの中心から遠く離れた強制労働所で働かされている人々、そして“不本意ながらそこで勤務する兵士たち”の意識に働きかける。ニーガンは、強制労働所の管理者(マイケル・ウィーヴァー)から、妊娠中の妻アニー(メディナ・センゴア)の安全と引き換えに脱走計画の仲間を裏切る取引きを提案されるが、それに応じず、自己犠牲になろうとし、彼の妻アニーも一緒に処刑されそうになる。
するとエゼキエルが、ニーガンたちと処刑を命じられた兵士たちの前に立ち塞がり、仲間たちもそれに続く。管理者は全員を撃てと命じるが、エゼキエルが兵士たちに語りかける、「目を覚ませ。世界は壊れている。でも人間は違う」。すると兵士たちは銃を下ろすのだ。このようにしてコモンウェルスは変わっていくのか、と痛感させる感動的なシーンだ。そのすぐ後に、ウォーカーの見せ場が登場、ウォーカーと化した兵士が、管理者の顔を食いちぎるという過激なシーンがあるのもこのシリーズらしい。
そんなあれこれの中で、懐かしい顔ぶれも登場。オーシャンサイドに向かったアーロン(ロス・マーカンド)たちが、シーズン10第16話「絶体絶命」でオーシャンサイドで暮らすことにしたルーク(ダン・フォグラー)とジュールズ(アレックス・スギャンバティ)に再会。今シーズン第16話「神の御業」のラストで、副知事ホーンズビー(ジョシュ・ハミルトン)がコイントスの後に何をしたのかが判明、オーシャンサイドはコモンウェルスの兵士に占拠されてしまった。また、今シーズン第10話「新たな脅威」のパーティーで知事たちを批判した元隊員タイラー(キャメロン・スコット・ロバーツ)が再登場。エゼキエルたちは、強制労働者の中に彼がいるのを見つけて接触する。
そして、今後のドラマに大きく関係しそうなのが、アーロンとリディア(キャサディ・マクリンシー)たちの動き。彼らはコモンウェルスの兵士たちから逃れるために、囁く者のようにウォーカーの大集団の中に紛れて移動を始めたが、この群れは、コモンウェルスの防護壁に接近しているようだ。となると、このウォーカーの大群が、コモンウェルスの変化に何らかの影響を与えるのではないか。あと2話となったこのシリーズ、やはりクライマックスはウォーカーの巨大な群れとの激闘なのか? はたしてどんな光景を見せてくれるのか期待が高まる。