二大怪獣がまさかの共闘!『ゴジラxコング 新たなる帝国』評価は?
編集者レビュー
『ゴジラxコング 新たなる帝国』2024年4月26日公開
ゴジラとキングコングの二大怪獣が対決する『ゴジラvsコング』の続編。ゴジラとキングコングが再び激突したことで、それぞれがテリトリーにする地上世界と地下空洞の世界が交錯し、新たな脅威が出現する。監督のアダム・ウィンガード、アイリーン役のレベッカ・ホール、バーニー役のブライアン・タイリー・ヘンリー、ジア役のケイリー・ホトルら、前作のスタッフとキャストが顔をそろえるほか、『アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド』などのダン・スティーヴンスらが新たに出演する。
編集部・入倉功一 評価:★★★★
前作『ゴジラvsコング』で激突した二大スターのバトルに、新タイタン(怪獣)が参戦したことで、より“怪獣プロレス”の純度が濃くなったモンスター・ヴァース最新作。世界の名所をリングにした戦いはより激しさを増し、彼らを捉えるカメラも怪獣目線だ。とにかく怪獣同士のバトルを楽しみたいんだ! というファンの期待に応えようという、アダム・ウィンガード監督の気概を感じる一本となった。
人類側のドラマはますます鳴りを潜め、『ゴジラ-1.0』を観た後だと、怪獣たちのドラマにフォーカスした作風に『ゴジラ』シリーズの懐の深さをより実感する。前作で1980年~1990年代のアクションヒーロー像を投影したコングの表情はさらに豊かになり主人公感も増したが、それだけに、ゴジラ側の描写がもっと見たい……というファンもいるだろう。また、新たな怪獣・スカーキング一派を相手にしたバトルはスピーディに進化したが、前作までの重量感がほしいと思ってしまうのはわがままか。
編集部・倉本拓弥 評価:★★★★
前作『ゴジラvsコング』以上に怪獣バトルを前面に押し出したことで、冒頭からタイタンたちによる激闘が堪能できる。ゴジラも冒頭から出し惜しみなく登場し、アカデミー賞を受賞した『ゴジラ-1.0』にオマージュを捧げた演出もニクい。海外でミーム化されたゴジラとコングの爆走シーンも、前後の展開を踏まえれば違和感なく、屈指の胸アツシーンとして成立している。また、鳥山明作品にインスパイアされた紫色のゴジラの新ルックにも注目だ。
特筆すべきは、狡猾な新タイタン・スカーキングを相手に迎えての一大バトルだ。少年漫画のような疾走感ある展開で、昭和の怪獣プロレス映画を愛するアダム・ウィンガード監督の手腕が、存分に発揮されている。人間ドラマを極限まで減らした濃度100%の怪獣映画となったことでモンスター・ヴァースの可能性がさらに広がったことは高く評価できる一方で、物語がコング中心であることから、ゴジラの活躍にやや物足りなさを感じてしまったことから★を一つマイナスにした。
『ゴジラxコング 新たなる帝国』あらすじ
巨大生物の調査研究を行う未確認生物特務機関「モナーク」が、異常なシグナルを察知する。モナークが警戒を強める中、かつて激闘を繰り広げたゴジラとキングコングが現れ、再び戦いを繰り広げる。さらにゴジラとキングコングそれぞれがテリトリーにする地上世界と地下空洞の世界が交錯し、新たな脅威が出現する。