ジャッキー・チェン、北京五輪の話題に一瞬眉間にシワ
第61回カンヌ国際映画祭
アクション俳優ジャッキー・チェンがエグゼクティブ・プロデューサーを務める映画『WUSHU(原題)』のPR会見が19日に行われた。その席上、北京五輪親善大使を務めるジャッキーに対し、欧米の記者から「北京五輪開催をどう思うか?」という直球の質問が投げかけられた。
中国政府によるチベット自治区への圧政に対する抗議の余波は、北京五輪開催問題にまで及んでいるが、特に映画祭が開催されているフランスでは、パリでのトーチリレーは大混乱となり、サルコジ大統領が開幕式の出席不参加を表明するなど反対の声が激しい。そのフランスに対して中国国内では、フランスのマーケット「カルフール」での不買騒動が起きる事態へと発展した、現在最も微妙な関係だ。
記者会見では、冒頭からいきなりこの話題に触れられて、ジャッキーも「え? オリンピックのこと?」と改めて聞き返し、一瞬みけんにシワを寄せた。そしていつものジャッキー・スマイルを作ると、「北京五輪は、中国のみんなの素晴らしい支援を受けてとてもスムーズに準備が進んでいるよ。僕はカンフーはもちろん、スポーツも大好きだ。政治的な観点で五輪を語るのは間違っている。それに五輪は、中国人だけじゃなく全世界の人のためにあるんだ」と語り、世間的な批判的な声に対してチクリとくぎを刺した。
その後は終始にこやかに映画をPR。同作品は、北京体育大学で武術を学んだ異色の豪州人アントニー・シト監督、ジャッキーの盟友サモ・ハン・キンポーも出演する本格的武術映画。この日は出演者で、ジャッキーが期待を寄せる若手俳優リュウ・フェンチャオとワン・ウェンジエを引き連れて登場し、各国記者の前で2人の武術を生披露させるパフォーマンス付き。2人の素早い身のこなしに、記者から「おぉ!」と感嘆の声が上がっていた。その記者の反応に満足げな笑みを浮かべたジャッキーは「僕は第2のジャッキー・チェンではなく、第2のアクション・スターを育てたいんだ」と力強く語っていた。(取材・文:中山治美)
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