第61回ベルリン国際映画祭、日本映画の正式出品作が多数!巨匠から現役学生監督と幅広く
第61回ベルリン国際映画祭
第61回ベルリン国際映画祭の参加作が各部門でほぼ出そろった。日本からは一時代を築いた巨匠から現役学生までの作品が選出されており、日本映画の来た道、行く道を見通せるような幅となっている。
第61回ベルリン国際映画祭パノラマ部門正式出品映画『白夜行』写真ギャラリー
中でも日本映画が多かったのが昨年に引き続きフォーラム部門。前衛的、実験的な作品が集められる同部門には、廣原暁監督映画『世界グッドモーニング!!』、瀬々敬久監督映画『ヘヴンズ ストーリー』、廣末哲万監督映画『FIT』、吉田光希監督映画『家族X』と、個性的な作品が並んだ。また、同部門では渋谷実監督特集も組まれる。戦前戦後にかけて活躍した渋谷監督の数多い作品群から選りすぐった『本日休診』『現代人』『正義派』『悪女の季節』『もず』『好人好日』『酔っぱらい天国』『大根と人参』の8本が特別上映される。
注目作が集まるパノラマ部門には、東野圭吾のベストセラー小説が原作となった深川栄洋監督映画『白夜行』、岩井俊二監督が海外スタッフ/キャストと組み英語で撮りおろした映画『バンパイア/ Vampire』(原題)と、撮影前から話題となっていた2本が選出された。
児童・青少年向けのジェネレーション部門には、日本とポーランドの合作となるDorota Kedzierzawska監督映画『トゥモロー・ウィル・ビー・ベター/Tomorrow will be better』(原題)、短編の方では東京藝術大学大学院生の奥田昌輝監督『くちゃお』が選出されている。
残念ながらコンペティション部門に日本映画はないが、一昨年はフォーラム部門の園子温監督映画『愛のむきだし』、昨年はパノラマ部門の行定勲監督映画『パレード』と、2年連続で日本映画が国際批評家連盟賞を受賞していることを思えば、今年も目が離せないところだ。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)