カンヌで審査員賞を受賞した是枝監督が語る、亡き父への思い！

　第66回カンヌ国際映画祭で、映画『そして父になる』が審査員賞を受賞した是枝裕和監督が現地時間27日、日本のマスコミの取材に応じた。

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　是枝監督は、主演を務めた福山雅治から授賞式の前、「（公式上映という）本当に素晴らしい瞬間に立ち会えました」と感謝の気持ちをつづったメールをもらっていたことを明かす。「これで受賞ができないと、残念な結果に終わったって（マスコミに）書かれちゃうので、僕たちが経験したあの素晴らしい瞬間を汚されないためにも何かが獲れるといいですね、と福山さんらしいエールを送ってもらいました」と笑顔を浮かべた。

　また授賞式のスピーチでは「父と子の物語を描くきっかけにもなった、亡くなった父に感謝したい」と話した是枝監督。「この映画に出てくる福山さんのように、僕自身、父とはたこ揚げをした記憶がないんです。あまり家庭的ではない父でしたが、僕が監督になりたいと言ったとき、家族が反対する中でただ一人、好きなことをやって生きろと応援してくれた。今日もどこかで喜んでくれていたんじゃないかと思います」と亡き父への思いを語った。

　審査員賞の賞状をうれしそうに胸の前に掲げた是枝監督は、「カンヌでショッピングをしていたら、お店のおばさんが『周りのみんながあなたの映画が一番だったって言ってた』と言ってくれてとてもうれしかった」とニッコリ。審査員賞という名誉ある賞の受賞はもちろん、日本の家族を描いた作品が国境を越えて多くの人の心に響いたことは、本作に関わる全ての人にとって最高のプレゼントになることだろう。（編集部・森田真帆）

映画『そして父になる』は10月5日より新宿ピカデリーほか全国公開